内容説明
夭折の臨床家、樽味伸の「素の時間」という概念から臨床家が患者とともに過ごす多くの時間について考え、臨床を深めるための時間論。三脇康生・岸本寛史による対話を収録。
目次
1 臨床を深めるための時間論
2 慢性期の病者の「素の時間」
3 「素の時間」を考える
4 緩和医療における時間
5 臨床の時間を巡る対話(1)「素の時間」を手がかりにして
6 臨床の時間を巡る対話(2)「素の時間」を手がかりにして
著者等紹介
三脇康生[ミワキヤスオ]
仁愛大学心理学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポカホンタス
5
臨床の時間をテーマにさまざまな論点が提示される。マクタガート・野村の時間論に続いて樽味伸の「素の時間」が紹介され、多くの角度から論じられる。期せずして樽味の精神療法を受けることになった著者の体験も語られる。岸本寛史の「緩和医療における時間」という読み応えのある文章が挿入された後、岸本と著者との対談に移る。臨床的ヒントに満ちた内容であった。2021/03/10
はる
0
緩和医療における事例が印象的だった(植物状態の患者さんのそばにいたこと、夢の話、沈黙の面談…)馴染みのない分野だけど、近代医療からはみ出た医療のあり方を模索する点は私の関心と重なる。素の時間がふっと生まれるという表現がすてき。ほんとにふっと生まれる感じなんだろうなと。2024/10/07