内容説明
マルクス経済学とは何であったのか。今後何でありうるのか。
目次
そもそもマルクス経済学とは何であったのか
第1部 マルクス経済学のミクロ理論(搾取と利潤;搾取と階級;価値と価格)
第2部 マルクス経済学のマクロ理論(所得分配;経済成長;景気循環)
マルクス経済学は今後何でありうるのか
著者等紹介
山崎好裕[ヤマザキヨシヒロ]
福岡大学教授(経済学部・大学院経済学研究科)。1988年東京大学経済学部卒業。1993年東京大学大学院経済学研究科修了。2001年福岡大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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5
「本来賃金主導型の経済成長が卓越すべき状況で、利潤分配率を高めると経済成長率は顕著に低下してしまう。日本の失われた20年はこれによって説明できるかもしれない」とあるが、この部分は他の本で深めてみたいと思う。普通の経済学書に比べ、外国貿易は手抄するなり、どういうモデルで考えているかをはっきりさせないのは欠点と思うが、マルクス経済学の考え方を新書レベル以上に提示していて良い本だと思う。2021/09/05
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5
良書と思う。数式追うのに疲れるが。タイトルは通り数理マルクス経済学の入門書。資本主義打倒といった方向ではなくマルクスの業績を経済学の枠組みのなかでいかしていきましょうという本。前半はミクロ経済学として搾取の理論を扱い、利潤がプラスなら剰余価値が発生=搾取が生じているという置塩の定理を説明。後半はマクロ経済学にうつる。普通の経済学だと、あらゆる経済情報から自己の効用を最大化する行動をとる、合理的個人を想定するが、マルクス経済学だと資本家と労働者の二階級を想定して経済学のモデルを作る。分配論では、労働者の貯蓄2021/09/05
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4
利潤率(利潤/総資本)や利潤分配率(利潤/国民所得)に影響を与えず、資本家の貯蓄性向のみ影響を与えるというパシネッティの定理を紹介。経済成長論では、設備稼働率が上昇すれば利潤分配率が上昇するケースでは、賃金分配率が上昇(=利潤分配率が下がれば)すれば利潤率も上昇するという賃金主導型の経済成長のパターンと、設備稼働率が上昇すると利潤分配率が下がってしまう状況では、利潤分配率を上げると利潤率があがる利潤主導型の経済成長を紹介。後者の場合でも全体のパイがあがることで、労働者の賃金は増える可能性もある。この章は、2021/09/05
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