出版社内容情報
統計調査はなぜ困難になったのか? そしてインターネット調査はどこまで役に立つのか? 問題と可能性のさまざまな論点を検討する。
序(埴淵知哉)
地域と統計,地理学/〈調査困難時代〉の到来/インターネット調査の普及と地理情報/本書の目的/本書の構成
第I部 従来型調査の諸問題
第1章 社会調査の回収率低下とその地域差(埴淵知哉・中谷友樹・村中亮夫・花岡和聖)
1 統計的社会調査と回収率
2 データと分析方法:JGSS回収状況データ
3 回収状況の概要と変化
4 回収状況の規定要因
5 地理的な調査環境の研究課題
第2章 国勢調査における「不詳」の増加(小池司朗・山内昌和)
1 国勢調査における「不詳」の問題
2 回収状況と「不詳」の発生状況
3 5年前の居住地の不詳割合
4 「不詳」増加の影響と今後の展望
第3章 小地域でみる国勢調査「不詳」の分布(埴淵知哉・中谷友樹・村中亮夫・花岡和聖)
1 悉皆調査の有用性と小地域レベルの「不詳」問題
2 データと分析方法:2010 年国勢調査小地域集計
3 不詳率の地理的分布と関連要因
4 地域分析への影響と対処法
5 「不詳」問題のモニタリングと今後の課題
第4章 個人情報保護と新たなデータ収集法(村中亮夫・埴淵知哉・竹森雅泰)
1 社会調査と個人情報保護
2 法制度・倫理規定の整備と社会調査への影響
3 社会調査データの新たな収集方法
4 多様な調査法の利用に向けて
第II部 インターネット調査の諸問題
第5章 インターネット調査の学術利用:その現状と論点(埴淵知哉・村中亮夫)
1 インターネット調査の広がりと評価の変遷
2 調査における「誤差」をめぐる枠組み
3 代表性の問題
4 測定精度の問題
5 新たな調査方法としての可能性
第6章 郵送調査との比較:代表性の問題(村中亮夫・中谷友樹)
1 インターネット調査と仮想市場評価法
2 二種類の調査方法
3 回収データの概要
4 データ収集方法がWTP に与える影響
5 仮想市場評価法への利用可能性と課題
第7章 「不良回答」の処理:測定精度の問題(埴淵知哉・村中亮夫・安藤雅登)
1 インターネット調査における「不良回答」問題
2 調査の概要と標本の特徴
3 「不良回答」の特徴と分析結果への影響
4 研究利用に向けての留意点
第8章 住所情報の収集:地理情報の問題(埴淵知哉・村中亮夫)
1 地域調査としてインターネット調査が抱える欠点
2 分析に用いたデータの概要
3 住所情報提供の諾否と関連要因
4 個人および地域レベルの分析に対する調査法の違いの影響
5 住所情報の収集と地域分析の可能性
コラム? レア・サンプル対象の調査(埴淵知哉)
コラム? 睡眠と騒音の疫学研究の場合(埴淵知哉)
コラム? 住所情報のジオコーディング(埴淵知哉)
埴淵 知哉[ハニブチ トモヤ]
編集
村中 亮夫[ムラナカ アキオ]
編集
内容説明
なぜ統計調査は困難になったのか?そしてインターネット調査はどこまで役に立つのか?統計調査と地理学の方法論的な接点を探り、データの地理的な偏りを無視した場合に生じうる疑似的な地域差や地域相関の問題を提起。インターネット調査の学術研究(とくに社会科学、地理学)への利用可能性を、さまざまな角度から探る。
目次
第1部 従来型調査の諸問題(社会調査の回収率低下とその地域差;国勢調査における「不詳」の増加;小地域でみる国勢調査「不詳」の分布;個人情報保護と新たなデータ収集法)
第2部 インターネット調査の諸問題(インターネット調査の学術利用―その現状と論点;郵送調査との比較―代表性の問題;「不良回答」の処理―測定精度の問題;住所情報の収集―地理情報の問題)
著者等紹介
埴淵知哉[ハニブチトモヤ]
中京大学国際教養学部教授
村中亮夫[ムラナカアキオ]
北海学園大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。