内容説明
現地を歩き、人びとと出会い、話を聞き、人びとの現実へと一歩踏み込む。地域に生きる人びとの「つながり」や多様性を捉え直すために。すでに知っていると思い込んでいる個人と社会の関係性を改めて学び直すために。そして、「地域社会」という言葉が覆い隠してしまう私たちの想像力を再び活性化するために。
目次
序章
第1章 サイレント・マジョリティを思考すること―広島二〇‐三〇代調査から
第2章 等身体の地域社会―「地域活性化」がみえなくするもの
第3章 接待する建設業者/口説き落とすヤミ業者―沖縄のヤンキーの若者と地元・仕事・キャバクラ
第4章 Uターン専業漁師の引退への段階―人口減少地で年をとること
第5章 “原発被災地”から「復興」を学び直す―福島の朝鮮学校コミュニティ
第6章 濁流を聞く/危機を知る―「差別の川」のサウンド・スケープを歩く
第7章 「寄る辺のなさ」を越える―中国の都市社会に生きる農村女性たち
第8章 「土」からの変革を求めて―菜園村生活館からみえる香港
著者等紹介
川端浩平[カワバタコウヘイ]
福島大学行政政策学類准教授
安藤丈将[アンドウタケマサ]
武蔵大学社会学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Gloria
1
可視化/不可視化の力学を明らかにするフィールドワーク. 前景化と後景化、「多様性」言説のもつ定式化の力とその結果の没個性化… - 批判理論っぽさ+ウェーバーっぽさ. なんとなく感じる”見えない力学”の言語化に、毎度目から鱗. ただ本書は地域、がフォーカス2022/09/25
peko
0
難しくてどう解釈すればよいのか、わからないこともあったが、地域活性には、「優良事例」ばかり見ていてもしょうがない。そこに住む人がいてこその地域社会であるし、外的環境によって流されたり、漂ったりするものなのかもしれない。それこそ、一人一人のストーリーがあるのだ。上からの圧力でどうにかしようとするのは危ういかも。2019/03/26