出版社内容情報
いま世界に溢れる「危機移民」をどう救うか。困難な現状を変えるための根拠となる、理論的な見通しをもった革新的研究の地盤を築く
まえがき
第1部 生き残りをかけ移動する人々
第1章 様々な危機移民、様々なニーズ
1 はじめに
2 危機移動
――形態からの分類――
3 避難の決断
――避難する人と避難せず残る人、事前に予測して避難する人――
4 保護のギャップと「権利をもつ権利」
5 強制送還
――安心・安全もつかの間、追い返される人々――
6 脱出不可能な状況におかれた非市民(外国人)
7 拷問、ジェンダー、人身売買
8 おわりに
第2部 難民・強制移動民の現状と研究の枠組み
第2章 グローバリゼーションと難民・強制移動民
1 はじめに
2 人権を基礎にした多様な選択肢の模索
3 グローバル化と人道主義
4 道徳上の課題
――選好と差別――
第3章 難民・強制移動研究
――理論的枠組みと方法――
1 はじめに
2 国際強制移動の現状
――特徴と問題点――
3 研究の経緯と政策とのギャップ
4 強制移動の研究分野
5 国際強制移動研究の展望
6 おわりに
第3部 解決を迫られる緊急の課題
第4章 不可視の脆弱者
――国内避難民――
1 はじめに
2 国内避難の指針原則と国際的対応
3 都市にいる国内避難民(都市IDPs)の発生因
4 不可視性と扱いにくさ
――偏見と正確なデータ不足――
5 定義
――誰が都市IDPsか?――
6 避難移動の様々なパターン
7 国内避難はいつ終わるのか
――帰還という解決の難しさ――
8 避難と送金行動
9 おわりに
第5章 都市難民の揺れ動く心と不安定な生活
――東京・新宿のビルマ人難民認定申請者――
1 はじめに
2 一般的な背景
3 生活の展開
4 生活の変容
5 おわりに
第6章 気候変動と強制移動
――気候変動は避難移動の直接の原因となるのか――
1 はじめに
2 環境的な避難民
――定義と類型論――
3 「環境難民」はどのように発生するのか
4 環境変化と紛争
――因果関係はあるのか?――
5 移動の決定、適応、そして回復力
6 新しい対応策の開発
――能力と資金と研究――
7 おわりに
第4部 グローバル・イシューとしての危機移民
第7章 グローバルな避難と合意の政治
1 はじめに
2 新制度への準備段階と当面の措置
3 難民の社会経済状況と援助
4 海外からの送金と頭脳流出
5 難民は開発問題でもある
6 国際協調と地域合意
7 おわりに
――適切な政治意志の樹立――
注
あとがき――人が絶えず移動する世界、移住と社会変動――
参考文献
小泉 康一[コイズミ コウイチ]
著・文・その他