内容説明
功利主義は打破されたのか?気鋭の論者たちが逆襲の狼煙を上げる。
目次
功利主義の逆襲
第1部 反直観論法は成功しているか(津波てんでんこと災害時における倫理;欲求か快楽か、快楽だとしてもどのような快楽か?;功利主義と優先主義―人格の別個性を切り口に)
第2部 功利主義の動学(古典的功利主義における多数と少数;功利主義教育論の可能性;ミルにおける自由と効用)
第3部 功利主義な統治とは何か(統治理論としての功利主義;応報主義と帰結主義の相剋(?)
功利主義と法―統治手段の相互関係)
著者等紹介
若松良樹[ワカマツヨシキ]
1958年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学)。学習院大学法務研究科教授。法哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すずき
2
ほぼ全章面白い功利主義の論文集。個人的には現代の議論に興味があって読んだが、思想史パートもベンサムやミルにとっての統治、教育、自由などについての考えに光を当てていて面白かった。2章、5章、6章、7章が特に好きだった。全体を通して振り返ってみると、やはり編者が規範倫理学ではなく法哲学の専門家というのが論文集全体の特徴に反映されていると思う。統治(分配とか自由の問題もこれに関わるように広く捉えて)や教育といったトピックとの結びつきが意識されているのかなと思う。2021/01/28
mori-ful
0
大屋雄裕「功利主義と法」が目当て。ベンヤミン=デリダ の暴力批判論批判>「他者を他者として扱い、そのゆえにそれに大して命令という形式による強制を行なおうとすると考えれば、ベンヤミン=デリダ に卑劣なものと呼ばれた警察行動(警察に傍点)にこそ近代国家の根底をなす自己抑制が表現されているのであり、その媒体としての法が理解されることになる。」2024/06/04
bayashigrove84
0
アニメ映画みたいなタイトルだけどおもしろかった。2021/01/28