出版社内容情報
大正期の登山ブーム,旅行雑誌・ガイドブックの役割等,旅行の近代化を巡る諸相を分析。旅行を大衆文化へと変えた原動力を活写。
凡 例
序 旅行とモダニズムについて
1 「幸せな生活」イメージと旅行
2 大正昭和初期における旅行文化の三つの発展方向
――旅行のなかのモダニズム――
3 四つの社会的背景と原動力
――モダニズムのなかの旅行――
4 旅行とメディア
5 本書の構成
6 産業としての観光と文化としての旅行
第一章 旅行のモダン
――大衆化・組織・雑誌――
1 はじめに
2 旅行の大衆化
3 雑誌『旅』の成立と二つの流れ
4 「健全な旅行趣味」の探求
5 旅館の脱伝統化、伝統的慣習の見直し
6 「団体旅行」を巡る意見の違い
7 事業者と「旅行愛好家」との関係の再編
――旅行の産業化――
第二章 山岳美の発見と旅行団
―─大正昭和初期の登山ブーム――
1 はじめに
2 大正期の登山ブームと「旅行団」
3 明治末期から大正初期における日本山岳会による講演会活動の展開
4 近代山岳登山の文化的特質
5 社会人旅行団体の志向性
第三章 都市美の発見と「都会趣味」
――木下杢太郎の小林清親論――
1 はじめに
2 清親再発見と四つの清親論
3 「河岸」の発見
4 江戸橋・荒布橋付近
――描かれたもの・描かれなかったもの――
5 「都会趣味・都会情調」の思想とその変容
第四章 旅行ガイドブックのなかの「見るに値するもの」
――『公認東亜案内 日本篇』と『テリーの日本帝国案内』の一九一四年――
1 はじめに
2 「内外案内記類展覧会」と『日本案内記』
3 『公認東亜案内』と『テリーの日本帝国案内』
4 「見るに値するもの」の差異
第五章 「趣味の旅行」と「モダン・ライフ」
――旅行論の展開――
1 はじめに
2 「趣味の旅行」と旅行の多様化
3 モダン・ライフと旅行の意味
4 旅行興隆期の旅行論
5 旅行規制期の旅行論
第六章 戦争末期の旅行規制を巡る軋轢
――『交通東亞』とその周辺――
1 はじめに
2 『旅』の終刊と『交通東亞』の発刊
3 『交通東亞』が映した戦争末期の軋轢
4 戦争末期の異国憧憬
――旅行雑誌としての『交通東亞』――
5 「戦争と旅行」を巡る時期区分について
第七章 戦後日本を歩く
――旅行文化としての「文学散歩」――
1 「観潮楼」の焼失
2 「文学散歩」の成立と展開
3 旅行文化としての「文学散歩」
【付論一】 駅の伝言板
――都市コミュニケーションの小道具――
1 新聞記事のなかの伝言板文化史
2 駅伝言板メッセージ調査の趣旨と概要
3 二〇字の世界
4 伝言板設置の現状と未来
5 コミュニケーション文化としての伝言板
【付論二】 木下杢太郎の思想展開におけるジンメルの芸術論
1 はじめに
2 ロダン受容の文脈
3 ヨーロッパ新思潮の構図
4 ニーチェ思想とジンメルの「小景大観」
*
註
あとがき
事項索引
人名索引
赤井 正二[アカイ ショウジ]
1951年 和歌山県和歌山市生まれ。1975年 早稲田大学第一文学部哲学専攻卒業。1987年 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得満期退学。1987年 立命館大学産業社会学部助教授就任。1994年 同教授昇任。現在に至る。著訳書 『メディア社会の歩き方――その歴史と仕組み』〔共著〕(世界思想社,2004年),J.ハーバーマス『テクストとコンテクスト』〔共訳〕(晃洋書房,2006年),他。
内容説明
旅行を「大衆文化」へと発展させた原動力を活写する!大正時代の登山ブーム、旅行雑誌・ガイドブックの役割、旅行の産業化等々、旅行の近代化・大衆化を巡る諸相を分析。
目次
序 旅行とモダニズムについて
第1章 旅行のモダン―大衆化・組織・雑誌
第2章 山岳美の発見と旅行団―大正昭和初期の登山ブーム
第3章 都市美の発見と「都会趣味」―木下杢太郎の小林清親論
第4章 旅行ガイドブックのなかの「見るに値するもの」―『公認東亜案内 日本篇』と『テリーの日本帝国案内』の一九一四年
第5章 「趣味の旅行」と「モダン・ライフ」―旅行論の展開
第6章 戦争末期の旅行規制を巡る軋轢―『交通東亞』とその周辺
第7章 戦後日本を歩く―旅行文化としての「文学散歩」
付論1 駅の伝言板―都市コミュニケーションの小道具
付論2 木下杢太郎の思想展開におけるジンメルの芸術論
著者等紹介
赤井正二[アカイショウジ]
1951年和歌山県和歌山市生まれ。1975年早稲田大学第一文学部哲学専攻卒業。1987年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得満期退学。立命館大学産業社会学部助教授就任。1994年同教授昇任。専門、思想史・社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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