内容説明
ナチの台頭を受け、アメリカに渡ったユダヤ人作曲家たち。彼らはハリウッドで映画音楽の基礎をつくりあげ、その一部は戦後東ドイツでアンチ・ハリウッドの映画音楽を築きあげた。その軌跡を追う。
目次
序章 映画音楽はどこからやってきたのか?(ハリウッド映画音楽の起源;アンチ・ハリウッド映画音楽の起源)
第1章 二〇世紀クラシック音楽の主流(戦間期ウィーンの音楽界とシェーンベルク;現代音楽を生んだ「ノイエ・ムジーク(新しい音楽)」論争
シェーンベルク教授のハリウッド)
第2章 ハリウッド映画音楽の誕生―オペラからハリウッド映画音楽へ(後期ロマン派の「映画的」オペラ―コルンゴルト“死の都”とベルク“ルル”;トレーニングされたアメリカの聴衆;オペラから映画音楽へ―ハリウッド式モチーフという紋切型)
第3章 芸術になった映画音楽―ワイマール共和国、ハリウッド、東ドイツ(映画音楽実験工房―音楽家デッサウの挑戦;ハリウッド映画産業と亡命作曲家たち―アドルノとアイスラー;社会主義下の「自由な」映画音楽制作)
第4章 映画音楽はどこへ向かうのか?(ハリウッド式モチーフ;作曲家という職業;映画の音響)
著者等紹介
高岡智子[タカオカトモコ]
1979年金沢生まれ。博士(学術)。専門は、音楽学、映画音楽、東ドイツ文化。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了。2005年から2007年までフンボルト大学に留学(ロータリー財団マルチイヤー奨学生)。甲南大学人間科学研究所博士研究員、日本学術振興会特別研究員PD(京都大学)を経て、静岡大学情報学部専任講師(2014年4月より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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