内容説明
高度経済成長の波が押し寄せる農村。環境の“悪化”に向き合う漁村。未曾有の震災に見舞われた都市。そこで人びとはみずからと地域のありようをどのように創りかえてきたのか。琵琶湖・生駒・宝塚をフィールドに、人間と環境の関係を風土論・場所論の視座から根源的に考究する。
目次
序章 場所と「風土」
第1章 「風土」としての自然―琵琶湖漁村における開発と環境(場所に現れた「風土」;水界と漁撈―農民と漁民の環境利用の変遷;日常の自然・非日常の自然―漁民と渇水;自然のリアリティ―現代の琵琶湖漁民と自然との関わりをとおして)
第2章 都市化する近郊農村という場所と暮らし(基本的視点;生業の変化と社会の変化;民家の変化―文化にみられる変化の受容と伝統の再編;変容する檪原の祭り)
第3章 都市における場所への関わり方(都市のまちづくり;女性と住民参加のまちづくり―阪神・淡路大震災という経験を通して;ため池から公園へ―都市における場所の再編成の試み)
終章 「風土」と場所とそこで生きる人々
著者等紹介
大槻恵美[オオツキエミ]
1949年京都府生まれ。1974年大阪市立大学卒業。1982年関西大学大学院博士課程文学研究科単位取得退学。現在、関西大学・関西学院大学非常勤講師。文学博士。専攻は人文地理学・環境論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。