内容説明
科学技術に関わる事件や事故の背景、科学者や技術者の責任、さらには市民の関与を考える。
目次
第1部 科学技術の倫理とは何か
第2部 技術と文明
第3部 科学技術と近代社会
第4部 生命操作技術の倫理と生命倫理学の倫理
第5部 科学技術と公共性
第6部 技術倫理の課題
著者等紹介
石田三千雄[イシダミチオ]
1953年生まれ。広島大学大学院文学研究科修士課程修了。現代哲学専攻。徳島大学教授
宮田憲治[ミヤタケンジ]
1971年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。西洋近代哲学専攻。博士(文学)。比治山大学非常勤講師
村上理一[ムラカミリイチ]
1948年生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。機械材料・材料力学専攻。徳島大学大学院教授
村田貴信[ムラタタカノブ]
1956年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。西洋近代哲学専攻。山口東京理科大学助教授
山口修二[ヤマグチシュウジ]
1962年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。西洋近代哲学専攻。玉川大学助教授
山口裕之[ヤマグチヒロユキ]
1970年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。基礎文化研究専攻。博士(文学)。徳島大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マウンテンゴリラ
4
内容的には非常にわかりやすく、今、社会に、そしてそれに強い影響を与える科学技術に求められる倫理について述べられている点でも共感を持てた。本書の言う通り、今や科学技術およびそれに携わる科学者、技術者に強い倫理観が求められることは、衆目の一致するところでもあるだろう。しかし、政治家や官僚に対してと同様に、それが容易ではないということも多くの人々が感じていることではないだろうか。なぜ、社会的に重い責任を担うべきこれらの人々に倫理観が欠ける、またはそのように見えるのだろうか。→(2)2018/07/07
Reina SAIJO
0
研究者倫理、工学倫理、生命倫理などが話題の範囲。応用倫理まとめとしては標準よりも手軽な内容。第4部の応用倫理の方法論に対する批判は、問題意識は理解できるものの、もう少し議論を煮詰めておこなってほしい。2014/11/30
ギダ・ワヤ
0
近年、科学技術が発達し、私等は多くの恩恵を受け、豊かな生活を享受している。しかし、現在の生活は本当に豊かと言えるのだろうか?今後も発達するであろう科学技術は本当に市民を豊かにするのか。様々な問題が表面化する中で、真に必要な事は「市民の参加」つまり物言う市民になることではないのか?この本は、何かを主張する本ではない。しかし、「わからないから専門家に任せるというのは無責任ではないか」、「今こそ様々な著者の意見を聞き、自分達で考えるべきではないか」そんな風に問いかけているように感じた本である。
Naoki
0
科学技術が高度に発達した時代に発生する問題は専門家だけで解決できるものが少なく、トランスサイエンスの時代であるため市民の選択への参画がかかせない。科学技術と市民の繋ぎてとしては合意形成にを踏むしかなく、誰もが科学技術の裏側を理解する必要がある。2013/02/08