叢書〈倫理学のフロンティア〉
生命倫理学と功利主義

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  • サイズ B6判/ページ数 264p
  • 商品コード 9784779500329
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0312

内容説明

ハードなシーンでこそ功利主義の真価が発揮される。功利主義が生命倫理をどのように考察してきたのかがくまなくわかる初めての本。功利主義による生命倫理学の議論を全体として概観している。

目次

1 功利主義とはいかなる立場か
2 功利主義をめぐる論争
3 ヒト胚の研究利用
4 人工妊娠中絶
5 生殖技術―生殖補助技術と出生前診断
6 事前指示
7 遺伝子操作
8 功利主義と臓器移植
9 QALYと医療資源配分
10 守秘義務と医療情報

著者等紹介

伊勢田哲治[イセダテツジ]
1968年生まれ。メリーランド大学大学院修了。Ph.D.(哲学)。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。科学哲学・倫理学専攻。名古屋大学助教授

樫則章[カタギノリアキ]
1956年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。倫理学専攻。文学修士。大阪歯科大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

5
「われわれが抱いている、権利を侵害してはならないとか「殺人を犯してはならない」といった直観的規則に反する結論を導くがゆえに、功利主義は規範理論として使えないという批判に対して、最も洗練された答えを出しているのはヘアであろう。ヘアは81年の『道徳的に考えること』で、二層功利主義の立場から…「外科医が五人の患者を助けるために一人の健康な人を殺すことは殺人であり、許されない」という主張を…批判している。まずこの議論を行うにあたっては、直観レベルの議論であるか、批判レベルの議論であるかを明確にしなければならない」2016/10/29

godon

1
最初の2章は伊勢田先生が難解な文章で最新の功利主義について解説。残りは生命倫理の各テーマについて他の著者が分担して執筆している。8章の臓器移植に関する児玉先生の執筆部分が非常に分かりやすく面白かった。臓器くじの話だけは聞いたことがあっても、それがどういう提案のされ方をしてどんな批判と修正を受け容れてきたか、ということがよく分かった。ただ、ヘアの二層理論を利用した説明については、どうにも論戦のための理屈のような印象が拭えなかった。2013/11/03

ちうの

0
「ヒト胚の研究利用」「人工妊娠中絶」「生殖技術」「事前指示」「遺伝子操作」「功利主義と臓器移植」「QALYと医療資源配分」「守秘義務と医療情報」という目次。分担執筆だが統一感があり読みやすい。 「直感」で思考停止しないために、「問題のための机上の問題」に終始しないために、功利主義の考え方は意外と使えますよ、という話。功利主義は(本文でも何度も指摘されているが)名前のせいで誤解されている所が大きい。学部の講義ではほとんど扱われていないが、臨床に出る前に読んでおいて良かったと思う日がきっと来ると思う。2016/03/10

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