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出版社内容情報
知の巨人ポール・ド・マンは何と戦っていたのか……。
親ナチ的だと批判された「ド・マン事件」に迫る!
ド・マンの死から4年後の1987年8月、
欧米を中心とする世界の言論界・思想界に
一種狂乱的な騒動が持ち上がる。
若き日のド・マンがベルギーの大手日刊紙『ル・ソワール』に
寄せた文章「現代文学におけるユダヤ人」
(1941年3月4日掲載) が発見され、
その内容が親ナチ的として厳しく非難・糾弾されたのだ。
批判派と擁護派の大掛かりな論争を引き起こすが、
束の間の乱痴気騒ぎのようなこの出来事は何故生じたのか。
「ド・マン事件」とはいった何だったのか。
ベルギー時代のド・マンが執筆した
フランス語の幾篇かの新聞記事を精査しながら、
この事件の根底に潜む問題を明らかにするとともに、
ジャーナリスト時代のド・マンとその後のド・マンの、
思想的・言語的な接続性および断続性について
思考・考察する!
ドイツ占領下時代に書かれた
ド・マン自身の新聞記事12篇を単行本、初収録!
序
第一章 〈卑俗な〉という危うげな一語に託して
ポール・ド・マンの選択
【コラム?】
ドイツ占領下時代の新聞記事 四篇【訳者解題】、
「現代文学におけるユダヤ人」
「シャルル・ペギー」
「批評の現代性について」
「ドイツ現代文学への手引」
第二章 ポール・ド・マンと二人のコラボラトゥール
第三章 歴史から言語へ
ポール・ド・マンの言語論的転回
【コラム?】ドイツ占領下時代の新聞記事 五篇【訳者解題】、
「フランス文学の現代的諸傾向」
「ヨーロッパという概念の内実」
「批評と文学史」
「フランス詩の現代的諸傾向」
「文学と社会学」
第四章 ポール・ド・マンと「物質性」に関する
二つの解釈系列
【コラム?】ドイツ占領下時代の新聞記事 三篇【訳者解題】
「戦争をどう考えるか?」
「イギリスの現代小説」
「出版社の仕事」
第五章 「ポール・ド・マン事件」とは何だったのか
土田 知則[ツチダ トモノリ]
著・文・その他