出版社内容情報
映画の原型ともいえるスクリーン投影式の〈動く写真〉、
フランス製のシネマトグラフが
明治30年(1897)2月15日、
大阪・難波の南地演舞場で一般公開されました。
それが日本の映画興行の始まり。
大阪が映画興行の発祥地のみならず、
実は映画上映の発祥地である可能性が極めて高い。
当時、シネマトグラフだけではなく、
米国エジソン社が開発した
ヴァイタスコープという映写機も日本に渡来していました。
そのヴァイタスコープの試写が
間違いなく明治29年(1896)12月、難波の鉄工所で
行われていたのです。
そのとき映写した映像もほぼ特定できました。
シネマトグラフの京都での試写よりも1カ月ほど早い。
つまり京都が映画発祥地という定説を覆すことに
なるかもしれません。
2016年は正真正銘、映画上陸120年に当たる。
心斎橋の輸入商・荒木和一が単身渡米し
エジソンに直談判して輸入したヴァイタスコープ。
片や京都の実業家・稲畑勝太郎が
フランスから引っさげてきたシネマトグラフ。
両者でドラマチックな「攻防」が展開されました。
大阪と映画。
いかなる関わりがあるのか本書をご覧ください。
1章 アメリカの荒木和一VSフランスの稲畑勝太郎
2章 活動写真から映画へ、大阪の人・街との深い関わり
3章 映画都市・大阪
武部 好伸[タケベ ヨシノブ]
たけべ・よしのぶ
エッセイスト。1954 年 大阪市生まれ。
大阪大学文学部美学科卒業。元読売新聞大阪本社記者。
映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。
日本経済新聞、その他多くのメディアに映画評、
映画エッセーを寄稿。
日本ペンクラブ会員、関西大学社会学部非常勤講師。
著書に『ウイスキー アンド シネマ 琥珀色の名脇役たち』
(淡交社)、『シネマティーニ 銀幕のなかの洋酒たち』(同)、
『ぜんぶ大阪の映画やねん』(平凡社)、
「ケルト」紀行シリーズ全10巻(彩流社)、
『スコットランド「ケルト」の誘惑
?幻の民ピクト人を追って』(言視舎)などがある。
内容説明
大阪と映画。撮影所のある東京や京都ならいざ知らず、この結びつきにピンとくる人はあまりいない。それどころか、なぜ「大阪」と「映画」なのかと首を傾げる人が圧倒的に多いかもしれない。映画製作とは無縁の地という印象が強いので、そう受け止められても致し方ありません。ともあれ、大阪は映画とは切っても切れない関係にありました。大阪の街と人が映画に与えた影響ははかり知れません。現在も大阪に映画文化が宿っています。そのことを大阪の人だけではなく、全国の多くの人に知ってもらいたいというのが本書の狙いなのです。
目次
第1章 「アメリカ」の荒木和一と「フランス」の稲畑勝太郎
第2章 活動写真から映画へ、「大阪」の深い関わり
第3章 映画都市・大阪
著者等紹介
武部好伸[タケベヨシノブ]
エッセイスト。1954年大阪市生まれ。大阪大学文学部美学科卒業。元読売新聞大阪本社記者。映画、ケルト文化、洋酒をテーマに執筆活動に励む。日本経済新聞、その他多くのメディアに映画評、映画エッセーを寄稿。日本ペンクラブ会員、関西大学社会学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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