内容説明
ヘンリ・アダムズは19世紀のアメリカに生まれ、外交官、ジャーナリストとして働いた人である。彼は急死した妻クローヴァを偲んで明治期の日本と太平洋を旅し、衝撃的な体験をする。新しい文明観を身につけた彼のもとには、魅力的な若者たちが集まる。中国奥地を探検した元フランス軍将校W.W.ロックヒル。西部の荒野でカウボーイ暮らしをしたシオドア・ローズヴェルト。イギリス外交官で詩人のセシル・スプリング=ライス。彼らはいずれも日露戦争の講和で立役者となる人々であった。本書はこうしたアダムズ夫妻とその友人たちの人生の軌跡をたどり、世界平和のために戦った人々の活躍を描いたものである。
目次
ファースト・レディとレディ・リンゼイ―一九三九年、イギリス国王夫妻の訪米
クローヴァの青春
アダムズ家の人々―平和と和解のための戦い
祖国復興の理想
首都ワシントンの社交界と政党組織
アダムズ夫妻にとっての日本
異境への旅立ち
一九世紀末フランスから見た世界
門戸開放通牒に込められた思い
崩壊してゆく世界のなかで
世界大戦の勃発
託された希望―エレノアとエリザベス
著者等紹介
中野博文[ナカノヒロフミ]
北九州市立大学外国語学部教授。1962年、福岡県生まれ。学習院大学法学部政治学科卒業、同大学大学院政治学研究科博士後期課程修了、博士(政治学)。広島大学総合科学部講師、北九州市立大学外国語学部助教授を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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