内容説明
1979年。昭和54年。この年の歌謡界は、ニューミュージックと歌謡曲の「一年戦争」。そして、アイドル不遇の時代でもあった。ピンク・レディーは完全に凋落の一途、山口百恵は三浦友和と交際宣言、沢田研二も過渡期に突入。さらにジャニーズ系は影も形もない。そして、その間隙をぬって登場したゴダイゴ、オフコース、そしてサザンオールスターズら、歌謡曲のアンチとしてのニューミュージックの台頭―1979年の魔訶不思議な歌謡界を通して、日本の大衆音楽の歴史と未来を考える。
目次
第1章 1979年の歌謡「曲」(布施明『君は薔薇より美しい』;桑江知子『私のハートはストップモーション』;沢田研二『カサブランカ・ダンディ』 ほか)
第1.5章 1979年の歌謡「曲」―補欠の4曲(矢沢永吉『I say Good‐bye,So Good‐bye』;浜田省吾『風を感じて』;永井龍雲『道標ない旅』 ほか)
第2章 1979年の歌謡「人」(ゴダイゴ;阿久悠;沢田研二 ほか)
終章 1979年の歌謡「界」―それは一体何だったのか
著者等紹介
スージー鈴木[スージースズキ]
1966年、大阪府東大阪市生まれ。音楽評論家、野球評論家、ラジオDJ、早稲田大学、大阪芸術大学講師。マーケティング・プランナー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひよ亭
21
振り返るとこの年が歌謡曲の衰退とニューミュージックの躍進の年であったことがよくわかる。CMのタイアップなんかも盛んに行われてきた。作詞家阿久悠、歌手ピンクレディー、ゴダイゴの衰退など。しかしこの本に載っている、この年に流行った50曲以上 今でも口ずさめるとは自分でも驚きだ。2021/05/22
幕 慕蘭
12
歌謡曲とニューミュージックの端境期、それが1979年。全盛期のゴダイゴ、凋落していくピンクレディー、勢いづくサザンオールスターズ。自分は小2、ファミコン時代の前か。本当にテレビっ子で歌番組も好きだったが、ゴダイゴは本当にカッコ良かった。大人になってCD買いました。一番好きなのは『ホーリー&ブライト』なんだけど売れなかったのね…。というわけで、スージー鈴木の本は面白い。マキタスポーツとのTV『カセットテープミュージック』も最高。『1984年の~』も是非読みたい。2018/12/01
五月雨みどり
11
また読んでしまった。1979年といえば自分は小2~3。クラスの女子の人気をさらったのはゴダイゴとツイスト。ピンク・レディーは前年「UFO」でレコード大賞獲ったのに早くも人気は急降下,ジュリーも「TOKIO」前夜でイマイチ,中三トリオも新御三家も大人になってしまいアイドル不在だった。その隙間へ入り込んだニューミュージック,ロック,それに触発された歌謡曲作家の名曲(「魅せられて」等)が火花を散らす。そして次の年花開くシティポップへと(「ルビーの指環」がスタンバイ)。そりゃあ昔の大みそかはみんな紅白観たよな!!2023/11/13
kokada_jnet
11
ゴダイゴ再評価というこの本の主題は嫌ではないが。「松本零士という人は音楽運が強い人で」という論の根拠が、劇場版999、テレビ版ヤマト、さらばヤマト。ヤマトはそもそも、松本零士原作作品ではないし。漫画家として非常に偉大な人を、アニメ作品で論じるのが変。2016/08/31
makimakimasa
10
最近ハマっているbayfm『9の音域』DJの本。彼が13歳で初めて買ったLP、ゴダイゴ『OUR DECADE』は、自分も高校時代CDでよく聞いた。ミッキー吉野を絶賛していて嬉しい。布施明『君は薔薇より美しい』も作曲。そんなゴダイゴは国連的優等生が過ぎて失速、さだまさしは計算高い、サザンは尊敬と軽蔑を持って接せよ、阿木&宇崎によるB級コミックソング路線は山口百恵にとって幸福だったか?等々、70→80年代の混沌とした端境期サウンドを縦横無尽に解説。ニューミュージックの定義(P160、169)も超絶分かり易い。2020/08/15