内容説明
いま、多くの十代の子どもたちが、きわめてあいまいで安易な診断(誤診)により、精神医療に誘導され、重篤な薬害が出ている。国によって進められようとしている“精神科の早期介入”は、劇薬である精神薬を、まだ病気を発症していない若者に、予防と称して投与し続けることの倫理的問題が横たわっている。その子どもたちは、実際、その後どうなったのか。その現実を丹念なルポで伝える。
目次
第1章 こんなことが実際に起きている(不登校から精神科へ―智美さんのケース;診断の曖昧さ ほか)
第2章 知っていますか?精神医療の実態(精神科を受診するとこんな治療を受けることになる;精神科医の「実力」 ほか)
第3章 子どもと精神医療の危ない関係(子どもへの向精神薬投与の実態;発達障害という概念 ほか)
第4章 精神科早期介入という暴挙(そもそも早期介入って何?;日本の早期介入はたいへんなことになっている ほか)
著者等紹介
嶋田和子[シマダカズコ]
1958年生まれ、早稲田大学卒業。1986~87年、国立療養所多磨全生園職員。1987年からフリーのルポライター。2009年、知人の子どもが精神医療の被害に遭ったことで、2010年6月にブログ「精神医療の真実」を立ち上げて体験談を募り、3年間で100人以上の被害者を取材。ブログを通して関わった人は300人を超える。現在も日々、体験者の話に耳を傾け、相談にのっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうき
14
どの親も子供の事が心配で、子供の為を思っての精神科の受診なんだと思う。信頼している医者に処方された多量な薬漬けによって壊されていく心と体に、とても辛い気持ちになった。素人は医者の出された薬や治療に疑問を持ったりしてもなかなか言い出せない部分もあるけど、子供が壊れてしまってからでは遅すぎる。薬を止める難しさや副反応の怖さを思い知らされた本だった。2022/10/16
ステビア
14
特に得るところはなし。過剰診断・過剰治療は確かに問題だが、少し扇情的に書きすぎだろう。2017/02/14
もみひげ
5
ただただ胸糞が悪い。読めば読むほど反吐が出そうになる。日本中の精神科医に送りつけてやりたい一冊。著者の主張を鵜呑みにするわけではない。だからこそ、全国の精神科医に読んでもらい、本書への反論してほしい。そして、私を納得させてほしい。早期介入で救われたケースの方が多いのだと。著者達のグループが偏狭なのだと。しかし、過去の歴史と諸外国の例を考えると、日本の精神医療は腐りきっているようにしか思えない。おそらくその自覚が精神医療に携わっている人間にその自覚がないことが一番の問題だと思う。2014/06/25
hiro
3
★★★ もう一度読もう2018/09/06
yunyon
2
医者選びの難しさよ…、良い意味で、精神科や心療内科受診のハードルが下がった分、投薬の基礎知識や病識の知識、本人や周りがしっかりとした判断力をもって、医師や医療機関を見極めることが大事だと思った。2019/07/29




