出版社内容情報
「これは私の良心の義務である」
社会が壊れていくとき、信仰者はいかに闘うか?
熱狂と黙認に抗い、ナチス国家と対峙した人々。
現代に語り継がれる抵抗の記憶を訪ね歩く。
ナチス独裁下、ドイツ・オーストリアの国民の多くがヒトラーに熱狂し、あるいはその非人道的な行いを黙認する中で、体制に果敢に抗議の声を上げた多くのキリスト者がいた。「殉教した」と公式に記録されている者だけでも、カトリック330名、プロテスタント120名を数える。彼らは自らの良心に従って、「血と人種」の思想やユダヤ人排斥、障がい者の強制安楽死、そして戦争に対して異を唱えた。その公然とした反抗にヒトラー自らが激怒し処分を命じた事例もあった。彼らの行動は戦後80年たった今もなお、現地の人々の中で語り継がれている。日本で知られていないキリスト者たちの抵抗の足跡をたどる。図版多数・地図・年表収録!
「キリスト者である彼らに共通していたのは、おのれを、あるいはおのれの民族を至上のものとして、人間の尊厳や普遍的な人権を恣意的に踏みにじるヒトラー・ナチスへの怒りであり、抵抗であった。それはまた、言葉を換えれば、神の愛を、キリストが示した隣人愛を否定する傲慢な人間に対する怒りであり、そうした謙虚さを失った人間や社会の対極にある良心であった。」(本書より)
【目次】
第1章 アイグナー ダッハウ強制収容所跡に立つリンゴの木
第2章 ガーレン 障がい者安楽死殺害に抗議した「ミュンスターのライオン」
第3章 シュプロール 追放されたロッテンブルク司教
第4章 デルプ モルトケらとナチス崩壊後の体制を構想した若き神父
第5章 プライジンク ヒトラーのお膝元で正義と人権を擁護したベルリン司教
第6章 マイヤー アルプスの山中に幽閉された神父
第7章 メツガー 平和活動家としていのちを落とした司祭
第8章 リヒテンベルク ユダヤ人の亡命を助けた司教座首席司祭
第9章 リューベックの四人の殉教者たち
第10章 ボルツ 新生ドイツの内相、文部相と目された政治家
第11章 グロース ナチスへの批判をやめなかったジャーナリスト・労働運動家
第12章 シュナイダー ブーヘンヴァルトの説教師
第13章 ヴァイスラー 拷問死した元マグデブルク地裁所長
第14章 ランペルト ゲシュタポの罠にかかった司教総代理
第15章 イエガーシュテッター 兵役拒否を貫き処刑された農民・「一粒の麦」
【コラム】強制収容所とは/強制安楽死殺害とは/国家政教協約とは/教皇回勅「燃え上がる憂慮の思いをもって」とは/ドイツ抵抗記念館



