出版社内容情報
「われわれの首都はモスクワ(ロシア)でもブリュッセル(EU)でもない、プラハだ」
冷戦終結から35年、中欧の民主化革命は「西欧への回帰」だったのか?
〈西〉と〈東〉をめぐる地政学的二項対立を超克する〈第三の場〉の系譜
1989年に社会主義体制が崩壊し、民主化を果たした中欧・チェコ。冷戦終結後も〈西欧〉と〈東欧〉をめぐる想像上の
二項対立は残存し、東西の〈はざま〉を生きる人々の歴史的記憶や政治的選択に影響を与え続けてきた。その一方で、この地政学的二項対立は、人々の日常的な実践のなかでさまざまに組み替えられ、転覆され続けている。
〈西〉にも〈東〉にも与しない〈第三の場〉の系譜とは? 近年のEU・ロシアに対する両義的な感情や排外主義のルーツとは? 哲学者スラヴォイ ・ジジェクが中東欧の体制転換の刹那に見出した〈穴〉――いかなるイデオロギーにも支配されない開かれた場――の概念を導きの糸に、旧共産圏チェコの葛藤を文化人類学的に読み解く。
【目次】
序章
第一章 時代を象る二つの棺
第二章 「西」と「東」のはざまで
第三章 ポスト社会主義のトリックスター
第四章 ヤン・シナーグルの追放論
第五章 「敵」は誰か?
終章
内容説明
1989年に社会主義体制が崩壊し、民主化を果たした中欧・チェコ。冷戦終結後も〈西欧〉と〈東欧〉をめぐる想像上の二項対立は残存し、東西の〈はざま〉を生きる人々の歴史的記憶や政治的選択に影響を与え続けてきた。その一方で、この地政学的二項対立は、人々の日常的な実践のなかでさまざまに組み替えられ、転覆され続けている。〈西〉にも〈東〉にも与しない〈第三の場〉の系譜とは?近年のEU・ロシアに対する両義的な感情や排外主義のルーツとは?哲学者スラヴォイ・ジジェクが中東欧の体制転換の刹那に見出した〈穴〉―いかなるイデオロギーにも支配されない開かれた場―の概念を導きの糸に、旧共産圏チェコの葛藤を文化人類学的に読み解く。
目次
序章
第一章 時代を象る二つの棺―二〇一〇年五月八日、ヴィートコフの丘に現れた〈穴〉
第二章 「西」と「東」のはざまで―三つの映像作品をめぐって現れた〈穴〉
第三章 ポスト社会主義のトリックスター―孤立する政治活動家ヤン・シナーグル
第四章 ヤン・シナーグルの追放論―秩序の暴力を暴く〈穴〉
第五章 「敵」はだれか?―国民的な市民運動に現れた〈穴〉
終章
著者等紹介
坂田敦志[サカタアツシ]
1980年生。一橋大学大学院社会学研究科特別研究員。同大学院博士後期課程修了。博士(社会学)。1989年の「ビロード革命」以降のチェコの政治・文化事象を文化人類学的に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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