出版社内容情報
北朝鮮の政治状況から目が離せない。その一方で、表面的にニュースを見ていても、不可解な点が多くある。2019年の歴史的な南北首脳会談と米朝首脳会談の際、朝鮮戦争の終戦宣言、制裁緩和、そして韓米合同軍事訓練の中断、北朝鮮の非核化等々の政治的前進が実現するかもしれない期待が高まり、ひいては日朝国交樹立となるかもという期待まで出ていた。これらすべてが破綻して以降、いまの北朝鮮について、本書の著者は「これまで体験したことのない、まったく新しい北朝鮮になっている」と主張する。金正恩の政治判断はどのようなもので、どう変わったのか。仲介者もおらず、対話チャンネルも閉鎖してしまった中で、それにも関わらず、最悪のシナリオを避けるためにできることはあるのか、また、いま必要なことは何か、を考える。頻繁に北朝鮮に通い、現地の最先端・深奥をつかむコラムで定評のある訳者の解説を付け、より理解を深めたい。「北朝鮮の核武装が後戻りできないレベルに到達し、朝鮮半島の非核化が事実上不可能になっただけに、非核化を核心的な目標としてきた北朝鮮政策も変えるべきだ…(中略)…しかし今回、再検討すべき対象は、目に見える核問題よりはるかに広くかつ深い。北朝鮮の変化は国防分野だけでなく、経済や対南関係、外交など国家戦略全般にわたって生じてくるためだ。」(本文より)
内容説明
先入観を捨て、思考の転換をせよ。すでに後戻りできないレベルに到達している―。仲介者も対話チャンネルも不在の中で、それでも最悪のシナリオを避けるためにできることはあるのか。
目次
第1章 米国への未練を捨てた北朝鮮
第2章 2019年夏の破局
第3章 歴代級の歓待から近親憎悪へ
第4章 政策の継承と大胆な構想
第5章 朝鮮半島、不可逆的核時代へ入る
第6章 北朝鮮の経済難と食糧難への別の見方
第7章 核と経済の並進路線は亡国の道か
第8章 対北抑止力は足りないのか
第9章 核共有はなぜ国ごとで違うのか
第10章 朝鮮半島で「恐怖の均衡」は可能か
第11章 米国が産み南北が育てた対決の構図
第12章 それでも関係改善を望むなら
第13章 それでも代案があるのなら
著者等紹介
鄭旭〓[チョンウクシク]
平和研究者・活動家。2021年から韓国紙『ハンギョレ』のハンギョレ平和研究所所長。韓国・高麗大学政治外交学科卒業、北韓大学院大学で修士。2006~07年、米ジョージワシントン大学訪問学者として米韓同盟と北朝鮮の核問題を研究した。二十数年間、朝鮮半島と東アジアの軍縮、反核、平和体制の研究・活動に従事してきた功績で第8回李泳禧賞を受賞(李泳禧は韓国で有名なジャーナリスト)
福田恵介[フクダケイスケ]
東洋経済解説部コラムニスト。『東洋経済』元副編集長。1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年、韓国・延世大学留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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