出版社内容情報
語りかける書簡からは肉声のような雰囲気が行間から立ちあがる。
1851~62年に書かれた手紙と日記を時期ごとに五章に分け、夫々の期間中に交わされた書簡、記録されたジャーナルを時系列的に訳し、解説を施す。
「自分の死後に手紙が他者の手に渡ると思うと寒気がする。まさにこの理由で友人たちからの手紙のほぼ全てを破棄した。私は敬愛という心情が本当に好きだが、それと同じくらい嫌悪するのは強い好奇心だ。しかし、長年の体験から実感するのは、残念ながら、人間一般には好奇心の方が敬愛よりはるかに顕著だということだ」(Letters Ⅲ376)
内容説明
語りかける書簡は肉声のような雰囲気が行間から立ちあがる。1851~62年に書かれた手紙と日記を厳選して抄訳する。書簡は書き手の内面に直接触れる貴重な資料である。
目次
序章 書簡に見るジョージ・エリオット
第1章 『ウェストミンスター・レヴュー』編集時代
第2章 ルイスと共にドイツへの旅立ち、評論活動
第3章 創作の開始、『牧師たちの物語』
第4章 『アダム・ビード』、『フロス河畔の水車場』
第5章 イタリアへの旅、『サイラス・マーナー』、再びフィレンツェへ、『ロモラ』
著者等紹介
エリオット,ジョージ[エリオット,ジョージ] [Eliot,George]
1819‐1880。ヴィクトリア朝を代表する大作家。壮大な社会的構想と緻密な心理描写を特長とする知的な作風によって高く評価される。主要季刊誌の編集、評論活動を経て、文壇の頂点に上り詰める
冨田成子[トミタシゲコ]
津田塾大学英文学科卒業。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。元甲子園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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