出版社内容情報
「何かが近くにいるのがおわかりでしょう、キャプテン・ベイン」
アメリカ保守運動の「ゴッドファーザー」ラッセル・カークは〈闇が立ちこめた世界にふさわしいゴシック調の物語〉のベストセラー作家でもあった!
荒廃した街に、古びた屋敷のなかに、不気味な幽鬼があらわれる。おびえる女、たたかう男。恐怖とロマンが織りなす傑作6編を、澤村修治の名で多くの文芸書・学術書の著者でもある横手拓治が初邦訳。
「われわれはみな幽霊で満たされている、とラフカディオ・ハーンは言った」(本書解説より)
内容説明
荒廃した街に、古びた屋敷のなかに、不気味な幽鬼があらわれる。おびえる女、たたかう男。恐怖とロマンが織りなす傑作6編。
著者等紹介
エイモス・カーク,ラッセル[エイモスカーク,ラッセル] [Amos Kirk,Russell]
1918‐1994。アメリカの政治理論家・モラリスト・歴史家・社会評論家・文芸評論家・小説家。主著『保守主義の精神(The Conservative Mind)』(1953)は、第二次世界大戦後の保守主義運動に明確な指標を示し、思想界、ジャーナリズムからアクチュアルな政治にまで幅広い影響を与えた
横手拓治[ヨコテタクジ]
淑徳大学教授。1960年東京生まれ、千葉大学人文学部卒。博士“文学”(千葉大学/論文博士)。中央公論社・中央公論新社に勤務したのち現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qoop
4
広島・長崎への原爆投下を痛烈に批判した保守主義者として知られる著者の幽霊譚アンソロジー。思想との兼ね合いで評するのが妥当とは思うものの、ゴシックな展開に終始しながら類話から踏み出すモダンさというか、恐怖しつつも情緒に寄り切らない現実への感覚が印象に残る。2024/07/09
hiruhan
2
紙媒体で読む。「イザヤおじさん」「呪われた館」「弔いの鐘」「リトルエジプトの地下室」「影を求めて」「ロストレイク」、そして解説の「闇はわれわれのものだ」が収録されている。最後は著者の略歴などを教えてくれるもので、フィクションとしては5つ、最後の「ロストレイク」だけ実録ものという感じなのかな。「リトルエジプト~」と「イザヤおじさん」がまあまあと言えるかな。ゴーストストーリーを期待したら肩透かしをくらったような気持ち。うーん…2025/07/25