出版社内容情報
『小川』(2012年)、『ヴィという少女』(2021年)
にひきつづき、
キム・チュイ作品をふたたび刊行。
主人公のマンは、「完璧に満たされた」という意味の名をもつベトナム人女性である。ベトナムで孤児であったところを拾われたマンは、育ての母に導かれ、モントリオールでベトナム料理店を営む男性と結ばれる。子供にも恵まれ、レストランも繁盛して、生活は順調であるように思われるが、マンは、常に日陰にひっそりとたたずんでいるように感情を押し殺し、どこか満たされない様子で日々を過ごしていた。しかし、レシピ本の成功を機に訪れたフランスで一人のシェフと出会い、マンは感情を少しずつ顕わにしてゆく……
本作は「料理」をテーマにストーリーが展開される。ベトナム、モントリオール、そしてパリ。マンの人生の歩みのすぐそばにはいつでも料理があり、料理のなかに彼女は人生を見出していく。
内容説明
ベトナムで孤児であったところを拾われたマンは、育ての母に導かれ、カナダのモントリオールでベトナム料理店を営む男性と結ばれる。子供にも恵まれ、レストランも次第に繁盛して、生活は順風満帆であるように見えるが、マン自身は、常に日陰にひっそりとたたずんでいるように感情を押し殺して、どこか満たされない様子で日々を過ごしていた。しかしそんな最中、レストランの盛況とともに刊行したレシピ本の成功を機に訪れたフランスで一人のシェフと出会い、マンは、内に秘めた感情を少しずつ顕わにしてゆく…
著者等紹介
キムチュイ[キムチュイ]
1968年、ベトナムのサイゴン(現ホーチミン市)に生まれる。10歳のときにボートピープルとして家族とともにベトナムを去り、マレーシアの難民キャンプを経てカナダへ移民。モントリオール大学で学位取得後に、裁縫師、通訳、弁護士、レストラン経営などを経験し、2009年にデビュー作Ruを発表。同作でカナダ総督文学賞など数々の文学賞を受賞する。2018年には、ノーベル文学賞の代替賞であるニュー・アカデミー文学賞の最終候補者4名に残った
関未玲[セキミレイ]
立教大学外国語教育研究センター准教授、日本ケベック学会幹事長。立教大学とパリ第3大学にて博士号を取得(文学博士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- 日本の専売政策