出版社内容情報
いつだって、何度だって、きっと〈情熱〉は取り戻せる!
極度の人嫌いからママ友とも一切関わりをもたず、出不精で、買い物も何もかもぜ~んぶバーチャル秘書まかせ! そんな破天荒でメチャクチャなママが、ある日、こつ然といなくなっちゃった!?
シアトルの高級住宅地に暮らす専業主婦のバーナデットは、世界的IT企業で活躍する夫・エルジンと、学校では常に成績トップクラスの15歳の娘・ビーとともに、一見恵まれた日々を送っていた。かつての夢を諦めたことさえ除けば……
バーナデットのあまりに突飛な行動の数々に笑わされながら最後まで読んだ時、かつて諦めた夢への第一歩を踏み出す勇気をくれる、そんな一冊である。
2019年、ケイト・ブランシェット主演により映画が公開された(制作:アメリカ)。
原書:Where'd you go, Bernadette
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
50
スプラスティックな喜劇とヒリつくようなサスペンスの間を綱渡り的な絶妙のバランスで進行する秀逸な群像劇であり、ストレートに親子の愛情を伝える家族小説でもある。明るくポップな表紙からは想像できないほど緻密にして複雑、愉快で心温まるが社会的な闇深さも感じさせる強烈な作品だ。手紙やEメール、公的文書を使った構成も天才的でズバ抜けたエンターテイメント性をも備えている。とても良かった。注文したのが昨年11月で、延期に延期を重ねられた末の発売だが楽しみに待っていた甲斐がある作品だった。もう一度読みたい。2022/12/06
かもめ通信
19
電子メールに手紙、請求書にFBI文書、精神科医との通信に、問合せへの回答書、さまざまな形式の文書で構成されているちょっと変わった物語は、タイトル通り、いなくなったバーナデットを探す話ではあるのだけれど、バーナデット自身が自分を探す話でもあった。笑ったり、怒ったり、うるっときたりとなかなかに忙しいが、ページをめくる手が止められず、思わず一気読み!うん!なんだか元気が出てきたぞ!もっとも、身勝手な大人たちに翻弄される子どもたちが、かなり気の毒ではあったけれどね。2022/12/27
ズー
16
ケイト・ウィンスレットの映画が気になっていて、その原作があるということで先に読んでみた。思ったより面白くなかったけど(ごめん)、余りにもとんでもなバーナデットのあれこれには確かに楽しませてもらった。でもいい意味でも悪い意味でも、アメリカジョーク的で、ド日本人の私からすると、ん?ここ笑うとこなんですかね?とかどうゆうことですかね?という部分が多かった。シアトルは行ったことあって憧れの地だけど、自分が知らないダークサイドも多くびっくりした。もちろんケイトイメージで読んだ。映画も観てみたい。2023/11/01
minimu
15
横書きで新鮮!『自由研究には向かない殺人』のように、女の子が書いた本であるという形式、地の文の合間に学校のお知らせやらメールやらがふんだんに挟み込まれていて興味をそそられる。家族で南極旅行をしたい娘と、どうにかして行かずにすむことができないかを企てる母親。この母、いまは専業主婦だが実は元天才建築家で、シアトルに引っ越してからは人が変わったようになってしまったのだ。だが、たとえ完璧な母でなくてもつねに娘への愛で溢れている。タイトルの通り、南極旅行の直前に母が失踪し、娘と父親は南極まで探しに行く。2023/02/25
BECHA☆
8
シアトルに住むビー(8年生)は、all S(きわめて優秀)のご褒美に南極旅行を希望した。いわゆる地の文に、ママ(バーナデット)がやり取りしているメール、ビーの学校からの通達、ママ友(?)たちのメール、Fax.、パパ(エルジン)の会社での様子などが書き連ねられて物語は進んでいく。極端にデフォルメされているけれど、働いて子育てしているあるあるがどんどんどんと積み上がってにっちもさっちもになっていく様には共感。映画見逃したのはちょっと残念だったかな。2023/11/23