出版社内容情報
スコットランドの「ツーリズム」と「ウイスキー」の歴史。
第一次大戦が終わっても必ずしも順調ではなかったスコットランドの
ウイスキー造りの歴史を辿りながら、第二次大戦後にウイスキーが
スコットランド・ツーリズムの牽引役として登場してくる経緯に着目し、
そこから、自国の日本酒蔵がツーリズムの対象として発展していくためには
どのようなことが必要なのかを考えるため、
スコットランドのウイスキー蔵を訪ね歩き、さまざまな地域の文化状況を
くまなく見てきた著者によるツーリズム文化論。
本書は、スコットランドに長年関わった著者の経験が滋味深く醸成された
文化交流の軌跡である。
内容説明
第二次大戦後にウイスキーがスコットランド・ツーリズムのけん引役として登場する経緯に注目。「ツーリズム」の対象として発展していくにはどのようなことが必要だったのか。ウイスキー蔵を歩き、スコットランドに長年かかわってきた経験を紹介する。
目次
ツーリズムとは?
一八世紀のスコットランド
スコットランドにおけるツーリズム前史
スコットランド・ツーリズムの夜明け―『オシアン』の登場
フィンガルの洞窟の発見―ペナントとバンクス
西方諸島の旅―ジョンソンとボズウェル
旅行からツーリズムへ―ペナント・バンクスとジョンソン・ボズウェル
ツーリズムの揺籃期―産業革命とロマンティシズム運動
ドロシー・ワーズワスのスコットランド
メンデルスゾーンとフィンガルの洞窟
ショパンとスコットランド
「ハイランド」の復活―スコットとジョージ四世
スコットランド・ツーリズムの完成―トーマス・クック
トゥロサックスの岩倉具視使節団
ピットロッホリの夏目漱石
竹鶴正孝とウイスキー
二〇世紀半ばまでのウイスキー業界の歩み
密輸・密造から産業へ
第二次世界大戦後の動向
モルト愛の芽ばえ
モルトへの覚醒とツーリズムの展開
エピローグ―ウイスキーディスティラリーに学ぶ日本酒ツーリズムの可能性と課題
著者等紹介
春日雅司[カスガマサシ]
神戸学院大学名誉教授。立命館大学卒業、関西学院大学大学院(社会研究科)単位取得満期退学。博士(社会学)。1982年~1999年、摂南大学経営情報学部講師、助教授、教授。1999年、神戸学院大学人文学部教授。専門は地域社会学、政治社会学(地域政治、地域社会、ジェンダー、女性議員、スコットランド、山田錦)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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