内容説明
妖艶嘆美な作風で知られる岡本かの子の幻想的な世界!華麗な豪奢さと豊饒で積極的な愛を湛えた名作が現代仮名遣いによって甦る!
著者等紹介
岡本かの子[オカモトカノコ]
1889(明治22)年3月1日、東京府東京市赤坂区青山南町生まれ。跡見女学校卒業。1906(明治39)年頃、与謝野晶子に師事して新詩社に入り、大貫可能子の筆名で「明星」や「スバル」に作品を発表する。1910(明治43)年に岡本一平と結婚、翌年、長男の太郎を出産する。この頃ノイローゼににり、仏教に救いを求める。1929(昭和4)年に渡欧、四年後に帰国すると小説に専念する。1936(昭和11)年、芥川龍之介をモデルにした「鶴は病みき」を発表して文壇から注目される。1939(昭和14年)年2月18日、48歳で死去
長山靖生[ナガヤマヤスオ]
評論家。1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。1996年『偽史冒険世界』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、2010年『日本SF精神史』(河出書房新社)で日本SF大賞、星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amanon
3
概ね楽しめたが、先に読んだちくまのアンソロジーに比べると、どこか食い足りないというのが正直なところ。それでもいくつかの発見はあったが。とりわけ大きな発見だったのは、似たような趣向の作品が見受けられても、それが決してネタの使い回しという印象を受けず、著者の魅力にもなりうる要素となっていること。だからこそ、もっと著者の作品を読みたいのに、現在世に出回っている著作が限られているのが残念すぎる。最も印象的だったのは、「過去世」だったか。どこかサドマゾ的な要素を匂わせる兄弟の愛憎関係が、BLを示唆する結実に…2025/02/18