花田達朗ジャーナリズムコレクション
公共圏―市民社会再定義のために

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  • サイズ A5判/高さ 21cm
  • 商品コード 9784779125867
  • NDC分類 361.04
  • Cコード C0031

出版社内容情報

著作集・第3巻刊行!



西ドイツに渡った花田は帰国後、社会哲学者ハーバーマスの

思想の核心を「公共圏」という日本語で紹介した。

その言葉を、市民社会を創り出すための

「闘う言葉」として育てて行くことにしたのである。

そして、ジャーナリストにこう呼びかける。

「あなたたちは公共圏の耕作者である」と。

花田自身の文の抗争を支えた思想の拠点がここにある。



解題:佐藤健二(東京大学大学院人文社会系研究科教授)、

東島誠(立命館大学文学部教授)





花田達朗コレクション

花田達朗の仕事はジャーナリズム研究という一本の柱を通す

ことができる。

公共圏論、空間論、制度論などの研究に貢献した学徒は、

ジャーナリズムの改善を通じた豊かな市民社会の創造を追求した。

花田の筆は、日本のジャーナリストへの共感と連帯、

そして、怒りと絶望を隠さなかった。

同時にそれは、信頼を失う既成メディアと軌を一にするように、

ジャーナリズム研究を痩せ細らせていった

日本の研究者たちへも向いた。

理論と実践を通じ、ジャーナリズムに自己の宿り場を探し続けた

孤高の社会学者の40年にわたる全仕事。



花田達朗ジャーナリズムコレクション

既刊

第2巻 ジャーナリズムの実践

――主体・活動と倫理・教育2(2011~2017年)

第1巻 ジャーナリズムの実践

――主体・活動と倫理・教育1(1994~2010年)



続刊予定

第3巻 公共圏

――市民社会のための理論(本書)



第4巻 ジャーナリズムの空間

――制度研究へのアプローチ



第5巻 ジャーナリズムの環境条件

――メディアとテクノロジー



第6巻 ジャーナリズムと時評

 

第7巻 事典 補遺・索引

内容説明

その社会空間の主体は誰か?権力と対峙する市民社会の創造とジャーナリストのために。ハーバーマスの哲学で、日本の言葉/社会と格闘した、花田の研究拠点。

目次

第1部 空間概念としての公共圏(1991~1993)(空間概念としての¨Offentlichkeit―ハーバーマスにおける公共圏とコミュニケーション的合理性(1991)
公的意味空間論ノート(1991)
社会情報学への私の接続様式(1992)
グローバルな公共圏は可能か―国際コミュニケーション政策における“外部・内部”の視座と視界(1992)
「放送の公共性」から「放送による公共圏の設営」へ(1992)
公共圏と市民社会の構図(1993)
公共圏という名の社会空間―公共圏、メディア、市民社会(1996))
第2部 公共圏概念の脱規範化と可能態化(1996~1998)(公共圏とマスメディアのアムビヴァレンツ―ハーバーマスにおける非決定論(1996)
欧州統合にみるメディア空間政策と空間矛盾―欧州公共圏の不在(1998)
公共圏のポリティクスへ(1998)
都市・公共圏・メディアのトリプレクス―可能態の歴史(1998))
第3部 公共圏あそび(公共圏に吹く風(2001)
公共圏について1『建築あそびの記録』2002年3月3日(2002)
公共圏について2『建築あそびの記録』2002年11月2日(2002))

著者等紹介

花田達朗[ハナダタツロウ]
フリーランス社会科学者。早稲田大学名誉教授。東京大学名誉教授。専門は社会学、メディア研究、ジャーナリズム研究。1947年長崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ミュンヘン大学哲学部コミュニケーション学(新聞学)修士課程修了、同大学大学院博士課程満期退学。東京大学大学院情報学環教授、学環長を経て、2006年より早稲田大学教育・総合科学学術院教授を務め、2018年3月末に定年退職。その間、2007年より早稲田大学ジャーナリズム教育研究所所長、2015年より早稲田大学ジャーナリズム研究所所長を務めた。2006年から2013年まで石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の選考委員。ジャーナリズム関係の海外の有力学術誌の編集委員を長年にわたって務めている。2017年9月11日に、FCCJ Freedom of Press Award,Supporter of the Free Press(日本外国特派員協会「FCCJ報道の自由推進賞」)を受賞。海外ジャーナル編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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