「愛の時代」のドイツ文学―レンツとシラー

個数:
  • ポイントキャンペーン

「愛の時代」のドイツ文学―レンツとシラー

  • 菅 利恵【著】
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 彩流社(2018/02発売)
  • 読書週間 ポイント2倍キャンペーン 対象商品(~11/9)
  • ポイント 60pt
  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

    ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784779124501
  • NDC分類 940.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

恋愛、家族愛、祖国愛──

18世紀の啓蒙時代、近代化の中で孤立した人々が求めたのは、

宗教でもナショナリズムでもなく「愛」だった。



宗教的な枠組みがゆらぎ、近代化の中で孤立した「わたし」を

「人間的なもの」につなぎとめ、理想主義的な自己像の支えとなった愛は、

国民意識の形成過程にどのように組み込まれたのか。



「愛の時代」からナショナリズムの時代への移行はどのようなものだったのか。



ドイツ語圏の啓蒙時代を新しく「愛の時代」ととらえ、

レンツ(1751-92)とシラー(1759-1805)のテクストを

中心に「愛の時代」に生まれたさまざまな言説を分析。



市民知識層のアイデンティティ形成の主軸が

「道徳」から「ナショナリズム」へ変化した過程を

批判的に再構築する。

序章

  1 愛の時代

  2 愛の時代の背景──宗教とナショナリズムのあい

  3 本書の流れ──レンツとシラー





第1章 主体的なものと規範的なもの

    ──愛をめぐる言説と市民的アイデンティティ

  1 市民的なものと愛

  2 啓蒙時代における愛の観念の変化

  3 啓蒙時代の愛における「反市民的な」ものと「市民的な」もの

  4 主体性の表現としての愛の矛盾

  5 作品例──『エミーリア・ガロッティ』ほか





第2章 J. M. R. レンツ

    ──「愛の時代」をめぐる寓話

  1 『哲学者は友達によって作られる』における友情と恋愛

   1・1 脱理想化された市民男性像

   1・2 「策略/政治」としての恋愛

   1・3 メロドラマの意味

  2 「自伝」としての恋物語──『森の隠者』

   2・1 恋に刻印された作品構造

   2・2 混乱した恋、混乱した「わたし」

  3 錯誤としての恋──レンツ作品の批判的可能性





第3章 フリードリヒ・シラーにおける愛と政治(1)

  1 シラーにおける愛の特徴──『ドン・カルロス』を糸口に

   1・1 私的な愛から政治的な愛へ

   1・2 シラーにおける愛の描写の背景

   1・3 愛か政治か──ドラマを貫く問い

  2 『マルタ騎士団』論──フリードリヒ・シラーにおける「男同士の愛」

   2・1 シラーにおける友情礼賛とその時代背景

     A 若者たちと権力者

     B 友情礼賛の意味

   2・2 理想の愛の形象化──『マルタ騎士団』

     A 作品概要

     B 『マルタ騎士団』における根本問題

     C 『マルタ騎士団』における私的な愛

   2・3 「男同士の愛」の両義性





第4章 18世紀後期における「政治的な愛」の諸相

     ──ヴィーラント、シューバルト、ハイン同盟

  1 市民的な言説空間の発展

  2 コスモポリタニズム──ヴィーラントを中心に

  3 パトリオティズム──アプト、シューバルト、ハイン同盟

  4 コスモポリタニズムとパトリオティズムの重なり

  5 コスモポリタニズムとパトリオティズムを分かつもの





第5章 フリードリヒ・シラーにおける愛と政治(2)

  1 『オルレアンの処女』と一八〇〇年前後のドイツ

   1・1 『オルレアンの処女』の基本構造──戦うための理念の消失

     A 厭戦的な作品世界

     B 『オルレアンの処女』における愛

   1・2 過渡的な時代の表現としての『オルレアンの処女』

   1・3 「神の啓示」という「実験」

  2 「政治的な愛」をめぐる新たな葛藤

    ──『ヴィルヘルム・テル』における愛と政治

   2・1 理想化された愛のドラマ

   2・2 「自由」なテルの背後に──ふたつの政治的な愛

   2・3 暴君か、人間か──時代の狭間の苦悩

   2・4 『ヴィルヘルム・テル』にみる私的な愛の政治的機能





終章

  1 愛国とジェンダー──愛の言説の二面性

  2 A・W・イフラントの家庭劇──「国父イデオロギー」とジェンダー規範

  3 コスモポリタンの愛──ヴィーラントの『アリスティッポス』

菅 利恵[スガ リエ]
著・文・その他

内容説明

恋愛、家族愛、祖国愛―18世紀の啓蒙時代、近代化の中で孤立した人々が求めたのは、宗教でもナショナリズムでもなく「愛」だった。ドイツ語圏の啓蒙時代を新しく「愛の時代」ととらえ、レンツとシラーのテクストを中心に「愛の時代」に生まれたさまざまな言説を分析。市民知識層のアイデンティティ形成の主軸が「道徳」から「ナショナリズム」へ変化した過程を批判的に再構築する。

目次

第1章 主体的なものと規範的なもの―愛をめぐる言説と市民的アイデンティティ(市民的なものと愛;啓蒙時代における愛の観念の変化 ほか)
第2章 J.M.R.レンツ―「愛の時代」をめぐる寓話(『哲学者は友達によって作られる』における友情と恋愛;「自伝」としての恋物語―『森の隠者』 ほか)
第3章 フリードリヒ・シラーにおける愛と政治(1)(シラーにおける愛の特徴―『ドン・カルロス』を糸口に;『マルタ騎士団』論―フリードリヒ・シラーにおける「男同士の愛」 ほか)
第4章 一八世紀後期における「政治的な愛」の諸相―ヴィーラント、シューバルト、ハイン同盟(市民的な言説空間の発展;コスモポリタニズム―ヴィーラントを中心に ほか)
第5章 フリードリヒ・シラーにおける愛と政治(2)(『オルレアンの処女』と一八〇〇年前後のドイツ;「政治的な愛」をめぐる新たな葛藤―『ヴィルヘルム・テル』における愛と政治)
終章(愛国とジェンダー―愛の言説の二面性;A.W.イフラントの家庭劇―「国父イデオロギー」とジェンダー規範 ほか)

著者等紹介

菅利恵[スガリエ]
1971年福岡県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程満期退学。2008年京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士(人間・環境学)号取得。三重大学准教授。専門分野はドイツ文学、ドイツ文化史(主として18、19世紀演劇)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

MaRuTaTSu

0
「そうして自らの幸福を手にする過程で、彼[ヴィルヘルム]はなんらかの地位を得るわけではなく、その意味では最後まで何者にもならない。けれどもそのかわりに伴侶になる女性とめぐり合い、愛らしい子の父親となり、信頼できる友を得る。つまりこの主人公の人間的な成長は、最終的に社会的な地位を得ることではなく、夫婦と親子と友達という、きわめて私的な親密領域を築くことを通して表現されているのだ。→2019/10/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12567119
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ドワンゴ」にご確認ください。

最近チェックした商品