出版社内容情報
ジャーナリストよ、ジャーナリズムを担う当事者意識はあるか?
研究者よ、ジャーナリズムを仕事のネタとだけ見てはないか?
理論と実践を担ったアカデミストの40年。
著作集刊行、いよいよ開始!
初回配本は、2011年から最新の著述までを収録した第2巻より。
内部的メディアの自由やジャーナリズムを経済的に支える
しくみについて予兆的に考え、
3・11後の原発「吉田調書」記事取り消し事件をめぐり
ジャーナリズムの瓦解を目撃、そこからワセダクロニクルという
ジャーナリズムの再生のためのしくみを作り、
世界の潮流へ――。
花田達朗コレクション
花田達朗の仕事はジャーナリズム研究という一本の柱を通す
ことができる。
公共圏論、空間論、制度論などの研究に貢献した学徒は、
ジャーナリズムの改善を通じた豊かな市民社会の創造を追求した。
花田の筆は、日本のジャーナリストへの共感と連帯、
そして、怒りと絶望を隠さなかった。
同時にそれは、信頼を失う既成メディアと軌を一にするように、
ジャーナリズム研究を痩せ細らせていった
日本の研究者たちへも向いた。
理論と実践を通じ、ジャーナリズムに自己の宿り場を探し続けた
孤高の社会学者の40年にわたる全仕事。
続刊予定
第1巻 ジャーナリズムの実践
――主体・活動と倫理・教育①(1994~2010年)
(’18/8予定)
第3巻 ジャーナリズムと公共圏
――市民社会のための理論(’19/2予定)
第4巻 ジャーナリズムの空間
――制度研究へのアプローチ
第5巻 ジャーナリズムの環境条件
――メディアとテクノロジー
第6巻 ジャーナリズムと時評
第7巻 事典 補遺・索引
内容説明
筆禍と言論弾圧の「白虹事件」から100年。再生か、自滅か―。日本ジャーナリズムの分岐点で放つ、社会学者40年の渾身の軌跡。
目次
第1部 予兆(ジャーナリズムを経済的にどう支えるか―2011年度税制改正大綱への疑問とともに(2011)
「対話」のジャーナリスト(2011) ほか)
第2部 瓦解(原発「吉田調書」記事取り消し事件に関するFCCJ記者会見(2014)
教育学部新聞学ゼミの研究プロジェクトとその軌跡―『新聞は大震災を正しく伝えたか‐学生たちの紙面分析』(2015) ほか)
第3部 再生(ワセダクロニクルと調査報道ジャーナリズムの世界的潮流―ジャーナリズムの正当性を求める闘い(2017)
ステークホルダー・メディアと当事者公共圏―ジャーナリズムは誰のものか(2017) ほか)
所長の伝言
著者等紹介
花田達朗[ハナダタツロウ]
社会学者。専門は社会学、メディア研究、ジャーナリズム研究。1947年長崎県生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。東京大学名誉教授。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、ミュンヘン大学哲学部コミュニケーション学(新聞学)修士課程修了、ミュンヘン大学大学院博士課程満期退学。東京大学大学院情報学環教授、学環長を経て、2006年から現職。2007年より早稲田大学ジャーナリズム教育研究所所長、2015年より早稲田大学ジャーナリズム研究所所長を務めている。公共圏論や空間論、制度論などの研究のほか、ジャーナリスト養成教育も行なってきた。2018年3月末で早稲田大学を定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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