出版社内容情報
太宰が最も尊敬し、芥川、川端が恐れた作家
豊島与志雄の全貌が明らかになる代表作が
現代仮名遣いによって甦る!
芥川龍之介に
「山間の湖の如く静かなのは、豊島与志雄氏の作品である」
と言われた豊島は、「忘れられた作家」と呼ぶには
あまりにも大きな存在である。
太宰治、坂口安吾、田中英光らは豊島を深く尊敬した。
太宰は「先生も、私と同様に、だらしがない。
そうして、日本で、いちばんの教養人だ」と評し、
川端康成は、「終始孤高の高士であるが、
そのひとりの世界では魔につかれて、
なにをしているかわからぬ怪物である」と言った。
本書では、初期の作品から戦後のものまで収録しているが、
どの時期の作品も、深いメランコリーの影が射している。
そして終始一貫して理知的であった。
怜悧さ故の虚無感に包まれながら完璧への希望をも
持ち続けた隠れた名作をお届けします。
収録作品
蠱惑
悪夢
都会の幽気
丘の上
常識
食慾
逢魔の時
球体派
怪奇な話
碑文
白塔の歌
秦の憂鬱
沼のほとり
聖女人像
絶縁体
解説 知性が持つ感性と、感性が持つ知性と 長山靖生
豊島 与志雄[トヨシマ ヨシオ]
著・文・その他
長山 靖生[ナガヤマ ヤスオ]
編集
内容説明
太宰が最も尊敬し、芥川、川端が恐れた作家・豊島与志雄の全貌が明らかになる代表作が甦る!
著者等紹介
豊島与志雄[トヨシマヨシオ]
1890(明治23)年~1955(昭和30)年、日本の小説家、翻訳家、仏文学者。久米正雄、菊池寛、芥川龍之介らとともに第三次「新思潮」の同人として世に出る
長山靖生[ナガヤマヤスオ]
評論家。1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。1996年『偽史冒険世界』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、2010年『日本SF精神史』(河出書房新社)で日本SF大賞、星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
HANA
なっく
ホン
nightowl