目次
プロローグ 「生きづらさ」と「不寛容」
第1章 誰が世界を壊したがっているのか
第2章 すべての歴史は修正を免れない
第3章 暴力と排除をこよなく愛するアイデンティティ
第4章 どんなユートピアもディストピアである
第5章 人間に永遠の命を与えるのは国家だ
第6章 “感情”という怪物が徘徊している
第7章 世界史の教科書に載らない何千万もの死者たち
第8章 居場所なき時代の絶望、または希望
エピローグ 「敵」でも「味方」でもないものの方へ
著者等紹介
真鍋厚[マナベアツシ]
評論家、著述家。1979年奈良県天理市生まれ。大阪芸術大学大学院芸術制作研究科修士課程修了。出版社に勤める傍ら評論活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコ虎
10
戦後進歩的知識人と呼ばれたものが生き返ったゾンビ本。死んでなかったんだ。国家否定、権力否定、伝統や天皇否定とお決まりの羅列からグローバリズム、普遍主義礼讃でバカ右翼を批判して喜ぶだけ。いい指摘もたまにあるのだが、それが自陣(左翼)には及ばない。不寛容という言葉すら自分たちだけが正しい左翼側からの攻撃文句に成り果てる。激しく不寛容を責める不寛容さへの鈍感さ。 キリスト教や欧米の植民地や奴隷制、空爆の虐殺を訴えるが、共産国家の虐殺・粛清には全く存在しないかのように全く言及しない小気味いい程のプロパガンダ本。 2018/06/28
紫の煙
7
最近、不寛容な人が増えたと言われているが、ネット社会になった事で、彼らの発言、行動が目立ち注目されるようになったのだろう。昔から人間は他者に対し不寛容であった。それに対する解決策が、直接人間に関わる事、ネットワークを作る事というのはいかに。2018/04/13
ハパナ
7
本書では、他者への不寛容をテーマとしています。 他者への強要を伴う原理主義は、とても良くないという事ですね。2018/02/15
はな
3
「しかし、われわれが何であり、何を望み、何を望まないのかを、何のためにそんな声高に、しかも熱をこめて、言う必要があるのか?われわれはそれを一層冷たく、一層遠く、一層賢明に、一層高いところから見よう」ニーチェ「感情という怪物に突き動かされた者たちが、、敵対勢力と称される人々に、、罵詈雑言を浴びせる、、それこそが、自分たちを正しさ、純粋さ、という形容で取り繕い、自己肯定感を充足することができる手段なのだ」2017/11/23
hasegawa noboru
2
希望が持てない社会。冒頭二文に導かれ読み始め、読み終わって出るため息が冒頭に戻る。〈なぜこんなにも生きづらい時代になったのだろうか?そんな台詞を心の中で(あるいは実際に口にだして)呟く人々が、日本だけではなく世界中で散見されるようになってきている。〉移民問題・〈各国のエリート層が自国民への関心すら失っているという事実〉。人類の〈「途方もない暴力と収奪」のクロニクル(年代記)〉・有史以来最大規模の”テロ”は「なかった」ことになっている。〈恐るべきことは「歴史という不条理」の忘却〉2017/12/03