出版社内容情報
金髪・青い目の「フェア」に対して、
黒髪で黒い目の「ダーク」なヒロインたち。
ヴィクトリア朝を代表する女性作家は
果たして彼女らに何を託したのか?
ジョージ・エリオット作品に探る。
フェア・ヒロインたちが表象した「家庭の天使」
からの逸脱をともなうダークな女性を
ヒロインに据えたジョージ・エリオット。
外見に加え、内面の「ダーク」にも着目し、
ジャネット(『牧師たちの物語』)、
マギー(『フロス河の水車場』)、
ロモラ(『ロモラ』)、ドロシア(『ミドルマーチ』)、
グウェンドレン(『ダニエル・デロンダ』)らを
取り上げて、
「新しい女」と「女性らしさ」のあいだに揺れる
ヒロインを読み解く。
矢野 奈々[ヤノ ナナ]
Nana Yano やの・なな
白百合女子大学文学部英語英文学科卒業、
同大学大学院文学研究科博士課程(言語・文学専攻)修了。
博士(文学)。現在、白百合女子大学、日本大学非常勤講師。
著書に
『英米文学の地平―W.ワーズワスから日系アメリカ人作家まで―』
(共著、金星堂)、
『ギャスケル中・短編小事典』(共著、開文社出版)。
内容説明
金髪・青い目、女性の鑑として好まれた「フェア」なヒロインに対し、黒やブルネットの「ダーク」な髪や目のヒロインたちに託されたものとは何か?魔性、妖艶、知性、情熱、そして自立―ヴィクトリア朝を代表する女性作家ジョージ・エリオットによるダークの表象と彼女が描こうとした理想の女性像を探る。
目次
第1部 天使vs.悪魔の解消―女性像における二項対立(枠の崩壊と「家庭の天使」の消滅;「黒髪」に見る伝統からの逸脱;「ダーク・ヒロイン」たちの魔性性)
第2部 男性の領域に侵入していく女性(パラドックスの「ダーク・ヒロイン」の誕生;黒服を着る女性たち―従属性からの解放)
第3部 新たな「女性らしさ」の模索と男性との「共存」に向けて(水のイメージと新たな旅立ち―ジェンダーの二項対立解消への期待と不安)
著者等紹介
矢野奈々[ヤノナナ]
白百合女子大学文学部英語英文学科卒業、同大学大学院文学研究科博士課程(言語・文学専攻)修了。博士(文学)。現在、白百合女子大学、日本大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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