出版社内容情報
3・11の原発事故で放射能に汚染された警戒区域で、
人間たちが避難したあと、
置き去りにされた牛やブタなど家畜には殺処分命令が
出た。
母を亡くした牛・ちび太は、やがて成長して
勇敢な雄牛・ハナキルとなる。
賢いカラスが導き、心優しいイノシシが守り、
おなかの微生物の大合唱が危険を知らせて
ハナキルは仲間の牛たちと生きぬこうとする。
区域内の牛たちを殺処分しようと追ってくる人間たちから、
逃れられるのか――
動物たちの会話で物語が展開する
《希望の牧場》の獣医が書いた奇想天外な小説。
獣医だからこそ描ける、動物たちのリアルな描写と心の世界。
経済価値が無い汚染牛として殺される運命にある
牛たちの問題を
浮き彫りにする社会派ファンタジー。
解説=山本宗補氏
★希望の牧場(きぼうのぼくじょう)とは?
福島第一原発から北西14キロにある浪江町の牧場。
3・11の原発事故で警戒区域になり、人間は避難を、
家畜は殺処分を命じられたが、
牧場主の吉沢正巳氏は畜産家として
牛を見殺しに出来ない
としてこれに抵抗。
自らの被ばくをかえりみず、
いのちある牛(しかし経済的な価値のない家畜)の
世話を続ける。
希望の牧場は、
原発事故の生き証人・牛
とともに原発を乗り越える世の中を目指す、非営利団体。
これまで新聞、テレビなどでも多数紹介。
関連書として絵本『希望の牧場』(森絵都、 岩崎書店)、
『原発一揆――警戒区域で闘い続ける"ベコ屋"の記録』
(針谷勉、サイゾー )、
『聖地Cs』(木村友祐、新潮社)、
『鎮魂と抗い――3・11後の人びと』(山本宗補、彩流社)など。
伊坂 邦雄[イサカ クニオ]
いさか・くにお
1948年、東京渋谷生まれ。福島県浪江町にある希望の牧場の獣医師。
都立青山高校卒業、麻布獣医科大学(現在の麻布大学)卒業。
1978年、ブラジルに渡り、サンパウロ州、パラナ州、
南マットグロッソ州、ゴイヤス州にて牛の繁殖業務
(人工授精、凍結精液製造、受精卵移植、体外受精卵)に
33年間従事。東日本大震災の時、東京の友人の誘いを受け、
2011年6月に宮城県石巻市に入り、ボランティア活動をする。
12年2月、福島鳥獣保護センターに勤務、
同年9月に希望の牧場にてボランティア活動を開始、
現在に至る。3女の父。本名は伊東節郎。
内容説明
牛は何も知らないのか?現職の獣医が描いた動物ファンタジー。
著者等紹介
伊坂邦雄[イサカクニオ]
1948年、東京都渋谷生まれ。福島県浪江町にある「希望の牧場・ふくしま」の獣医師。都立青山高校卒業、麻布獣医科大学(現在の麻布大学)卒業。1978年、ブラジルに渡り、サンパウロ州、パラナ州、南マットグロッソ州、ゴイヤス州にて牛の繁殖業務(人工授精、凍結精液製造、受精卵移植、体外受精卵)に33年間従事。東日本大震災の時、東京の友人の誘いを受け、2011年6月に宮城県石巻市に入り、ボランティア活動をする。12年2月、福島鳥獣保護センターに勤務、同年9月に「希望の牧場・ふくしま」にてボランティア活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ヴェネツィア
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