出版社内容情報
気鋭のピンチョン研究者にして
現代アメリカ小説の翻訳も
精力的に手がける“目利き”が
いざなう“実験小説”ガイド!
登場人物がいて、順序だったあらすじがあって……
といういわゆる「普通の小説」の枠組みや手法を
あえて壊したり、ずらしたり、逸脱したりしながら、
小説のさらなる表現の可能性を広げるために
「創作上の実験的な試み」がなされた「実験小説」。
実験小説って聞くとワクワクする♪という人だけでなく、
なんかコワい……、何を読んだらいいのかわからない、
食わず嫌い、というあなたにも贈ります。
実験小説のさまざまなタイプを切り口に、主な作品の
読みどころと、一連のおすすめ作品リストを掲載。
実験小説に特化した初のガイド本を手に、
めくるめく実験小説の世界へ!
第1章
実験小説とは
第2章
現代文学の起点
第3章
詩+註釈=小説:ナボコフ『青白い炎』
第4章
どの順番に読むか?:コルタサル『石蹴り遊び』
第5章
文字の迷宮:
アビッシュ『アルファベット式のアフリカ』
第6章
ト書きのない戯曲:ギャディス『JR』
第7章
2人称の小説:
カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』
第8章
事典からあふれる幻想:パヴィチ『ハザール事典』
第9章
実験小説に見えない実験小説:
マシューズ『シガレット』
第10章
脚注の付いた超スローモーション小説:
ベイカー『中二階』
第11章
逆語り小説:エイミス『時の矢』
第12章
独り言の群れ:
ダーラ『失われたスクラップブック』
第13章
幽霊屋敷の探検記?:
ダニエレブスキー『紙葉の家』
第14章
これは小説か?:
マークソン『これは小説ではない』
第15章
サンドイッチ構造:
ミッチェル『クラウド・アトラス』
第16章
ビジュアル・ライティング:
フォア『ものすごくうるさくて、
ありえないほど近い』
第17章
疑似小説執筆プログラム:
円城塔『これはペンです』
第18章
どちらから読むか?:
スミス『両方になる』
【各章ごとのタイプ別おすすめ作品リスト付!】
木原 善彦[キハラ ヨシヒコ]
きはら よしひこ 大阪大学准教授。
著書
『UFOとポストモダン 平凡社新書』(平凡社、2006)、
『ピンチョンの『逆光』を読む:空間と時間、光と闇』
(世界思想社、2011.6)、
『トマス・ピンチョン 現代作家ガイド7』
(麻生享志・木原善彦 編著、彩流社、2014.6)のほか、
W・ギャディス『カーペンターズ・ゴシック』
(ウィリアム・ギャディス著、木原善彦訳、
本の友社、2000)、ピンチョン『逆光 上・下』
(Thomas Pynchon著、木原 善彦訳、新潮社、2010)、
D・マークソン『これは小説ではない
(フィクションの楽しみ)』(水声社、2013.10)、
R・パワーズ『幸福の遺伝子』(新潮社、2013)、
『オルフェオ』(新潮社、2015.7)など翻訳書多数。
内容説明
言葉遊び、視覚的企み、まことしやかな事典、入れ子構造…小説の可能性を果敢に切り拓く「実験小説」のタイプ毎に、特徴、読みどころ、オススメ作品まで紹介する初のガイド。
目次
実験小説とは
現代文学の起点―ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』(1922)
詩+註釈=小説―ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』(1962)
どの順番に読むか?―フリオ・コルタサル『石蹴り遊び』(1963)
文字の迷宮―ウォルター・アビッシュ『アルファベット式のアフリカ』(1974)
卜書きのない戯曲―ウィリアム・ギャディス『JR』(1975)
2人称の小説―イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』(1979)
事典からあふれる幻想―ミロラド・パヴィチ『ハザール事典』(1984)
実験小説に見えない実験小説―ハリー・マシューズ『シガレット』(1987)
脚注の付いた超スローモーション小説―ニコルソン・ベイカー『中二階』(1988)
逆語り小説―マーティン・エイミス『時の矢』(1991)
独り言の群れ―エヴァン・ダーラ『失われたスクラップブック』(1995)
幽霊屋敷の探検記?―マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』(2000)
これは小説か?―デイヴィッド・マークソン『これは小説ではない』(2001)
サンドイッチ構造―デイヴィッド・ミッチェル『クラウド・アトラス』(2004)
ビジュアル・ライティング―ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2005)
擬似小説執筆プログラム―円城塔『これはペンです』(2011)
どちらから読むか?―アリ・スミス『両方になる』
著者等紹介
木原善彦[キハラヨシヒコ]
大阪大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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