出版社内容情報
比較文化学者による
《旅》への誘い…
鎖国状態にあった「日本」はいかにして諸外国と
通じていたのか。
そして、その後の日本と諸外国との交流は…
フランス思想/文化研究者による「イスパニア」文化探訪記。
[第1部]ハポンさんから「スペイン内戦」へ
第1章 ハポンのこと
―慶長遣欧使節の足跡をスペイン訪ねて
第2章 かなしみのイスパニア街道を訪ねて
第3章 「わが青春のバルセロナ
―モンペリエ大学時代の思い出」
第4章 スペイン内戦八〇周年に寄せて
―フランス国境近くにあった
スペイン内戦難民収容所について
[第2部]メキシコにあこがれて
第1章 ノべスパニアに渡った常長一行のこと
第2章 フンボルトとメキシコ
―その足跡を現地に追う
第3章 コリマ大学での「集中講義」を終えて
第4章 ルイス・ニシザワ画伯との一時間
第5章 メキシコと日本人画家
―Diego Rivera と藤田嗣治
第6章 空転に終わったふたりの対話
―薩摩治郎八に映じたパリの藤田嗣治
[第3部]中南米を旅して
―キューバ、アルゼンチン、チリ
第1章 キューバ駆け足旅行
―見てきたハバナの現実
第2章 はじめてのアルゼンチン行き
―ラ・プラタ大学でオキナワとフクシマを語る
第3章 サンチアゴ・デ・チレはこんなところ
―チリの首都でパブロ・ネルーダの足跡を追う
第4章 「スペイン内戦」八〇周年に寄せて
―パブロ・ネルーダと内戦移民をチリへ
移送した仏船籍「ウニペッグ丸」
市川 慎一[イチカワ シンイチ]
いちかわ・しんいち
1936年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
現在、早稲田大学名誉教授。
18世紀フランス思想・文学および比較文化専攻。
慶應義塾大学文学部特別招聘教授、
マドリッド・アウトノマ大学客員教授を歴任。
主な著訳書に
『わたしの日仏交流史研究ことはじめ』、
『アカディアンの過去と現在』(彩流社)、
『アガグック物語』(イヴ・テリオー著、共訳、彩流社)、
『フランス語の手紙』(白水社)、
『百科全書派の世界』(世界書院)、
『百科全書』(ジャック・プルースト著、共訳、岩波書店)、
『フランス百科全書絵引き』(ジャック・プルースト著、
共訳、平凡社)、『十八世紀フランス思想
?ヴォルテール、ディドロ、ルソー』(ダニエル・モルネ著、
共訳、大修館書店)、『フランス人の幕末維新』
(M・ド・モージュ他著、共訳、有隣堂)、
『ジャン・ジャック・ルソー』(早稲田大学出版部)、
『マネの生涯』(アンリ・ペリュショ著、共訳、講談社)、…
内容説明
十八世紀フランス啓蒙思想を専門とした学者が、なぜ「イスパニア語の旅」に出かけるようになったのか?「地球の徘徊者」と評されたこともある著者には言い分がある。学生時代より読書のほかに別の現実を見ること(異国旅行)が、乏しい創造力を強烈に刺激するということに気付くようなった。というわけで、本書は肩の凝らない旅のエッセイなのである。
目次
第1部 ハポンさんから「スペイン内戦」へ(ハポンさんのこと―慶長遣欧使節の足跡をスペインに訪ねて;かなしみのイスパニア街道を訪ねて;わが青春のバルセロナ―モンペリエ大学留学時代の思い出;「スペイン内戦」八〇周年雑感―フランス国境近くにあったスペイン内戦難民収容所について)
第2部 メキシコにあこがれて(ノベスパニヤに渡った常長一行のこと;フンボルトとメキシコ―その足跡を現地に追う;コリマ大学での「集中講義」を終えて;ルイス・ニシザワ画伯との一時間;メキシコと日本人画家―ディエゴ・リベラと藤田嗣治;空転に終わったふたりの対話―薩摩治郎八の目に映じたパリの藤田嗣治)
第3部 中南米を旅してキューバ、アルゼンチン、チリ(キューバ駆け足旅行―見てきたハバナの現在;はじめてのアルゼンチン行き―ラ・プラタ大学でオキナワとフクシマを語る;サンチアゴ・デ・チレはこんなところ―パブロ・ネルーダの足跡を追う;「スペイン内戦」八〇周年に寄せて―パブロ・ネルーダと内戦難民のチリ移送)
著者等紹介
市川慎一[イチカワシンイチ]
1936年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1966‐69年フランス政府給費留学生。1978‐79年日本学術振興会・国立科学研究センター(CNRS)フランス派遣研究員。2002‐03年日本学術振興会・スペイン科学研究高等会議(CSIC)スペイン派遣研究員。2005年メキシコ政府奨学生。現在、早稲田大学名誉教授。18世紀フランス思想・文学および比較文化専攻。慶應義塾大学特別招聘教授、マドリッド・アウトノマ大学およびコリマ(メキシコ)大学客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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