出版社内容情報
ハプスブルク帝国のイメージを刷新する労作!
「ハプスブルク帝国に海軍はあったのか?
海外に植民地を持っていたのか?」
素朴な疑問を持つ人は多い。
近代のハプスブルク帝国から受けるイメージは、
内陸部に広大な領土を有し、多様な民族を統治する
「大陸帝国」の姿である。
そこには「植民地主義」や「海軍」といった言葉は
そぐわないように見える。
だが、ハプスブルク帝国は、
世界を目指したヨーロッパという
一団に属する大国であった。
帝国主義という時代精神のなかで
ハプスブルク帝国もその例外ではなかった。
実際、ハプスブルク帝国は海外世界へアクセスする
ための海軍と科学を自前で有し、世界へ、
とくにインド洋から太平洋島嶼へは
学術調査という特異な“進出”を展開していた。
この帝国が海の外の世界とつながっていた実相を
解明することで、従来の歴史学に見られる
西の「海洋帝国」と東の「大陸帝国」という
固定観念を打ち破る。
序 章
第1章 世界遠征の開始
第1節 海軍の建設と世界遠征
第2節 オーストリアとプロイセンの世界遠征
第3節 世論の反響とドイツ統一問題
第2章 植民地獲得政策
──世界遠征から拠点植民地構想へ
第1節 ノヴァラ号遠征と植民地獲得計画
第2節 ヴュラーシュトルフの東アジア進出構想
第3章 言説とイデオロギー
──ノヴァラ号遠征と「植民地なき植民地主義」
第1節 ハプスブルク帝国の「植民地主義」?
第2節 ニコバル諸島滞在と遠征記の言説
第3節 言説の連鎖と植民地プロパガンダ
第4節 太平洋島嶼をめぐる植民地主義言説
第5節 マオリから見た「植民地なき植民地主義」
第4章 科学──ノヴァラ号遠征と西洋科学
第1節 オーストリア科学界の変容と海外遠征
第2節 西洋科学のなかのオーストリア
第3節 西洋科学と「植民地なき植民地主義」
第4節 人類学調査と人種イデオロギーの大衆化
第5章 アジア太平洋
──ノヴァラ号遠征以後の海外世界とのつながり
第1節 太平洋のオーストリア人科学者
第2節 太平洋のハプスブルク帝国海軍
第3節 東アジア世界とのつながり
第6章 海軍の展開
── 20 世紀初頭の東アジア常駐海軍
第1節 東アジア・ステーション体制
第2節 保護任務の限界と打開策
第3節 儀礼と「ショー・ザ・フェイス」
第4節 「ショー・ザ・バンド」
終 章
大井 知範[オオイ トモノリ]
おおいとものり
明治大学、鳥取大学非常勤講師。1977 年生まれ。
明治大学学院博士後期課程修了、明治大学政治経済学部助教、
ベルリン自由大学客員研究員を経て現職。博士(政治学)。
共著『ドイツ史と戦争
──「軍事史」と「戦争史」』彩流社(2011 年)。論文多数。
内容説明
「ハプスブルク帝国に海軍はあったのか?海外に植民地を持っていたのか?」疑問を持つ人は多い。だが、ハプスブルク帝国は、世界を目指したヨーロッパの大国であり、帝国主義という時代精神のなかでその例外ではなかった。実際、海軍と科学を自前で有し、世界へ、とくにインド洋から太平洋に向けて学術調査という特異な“進出”を展開していたのだ。西の「海洋帝国」と東の「大陸帝国」という観念を破壊!ハプスブルク帝国のイメージを刷新する労作!
目次
序章
第1章 世界遠征の開始
第2章 植民地獲得政策―世界遠征から拠点植民地構想へ
第3章 言説とイデオロギー―ノヴァラ号遠征と「植民地なき植民地主義」
第4章 科学―ノヴァラ号遠征と西洋科学
第5章 アジア太平洋―ノヴァラ号遠征以後の海外世界とのつながり
第6章 海軍の展開―20世紀初頭の東アジア常駐海軍
終章
著者等紹介
大井知範[オオイトモノリ]
明治大学、鳥取大学非常勤講師。1977年千葉県生まれ。明治大学卒業、同大学院博士後期課程修了、明治大学政治経済学部助教、ベルリン自由大学客員研究員を経て現職。博士(政治学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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