内容説明
私のクラスメートは全員死んだ。建物疎開作業のために―奇跡の生き残りである著者が、渾身の力を込めて後世に伝え残したい痛切な事実の訴え。日本教育史上最大と言われる事実が、あまりにも知られていない。
目次
第1章 慟哭の惨事
第2章 少年少女たちの戦後
第3章 学校の慰霊碑
第4章 運命の分かれ道―生と死を分けたもの
第5章 靖国合祀―最年少の英霊
第6章 死者が「たりない!」
最終章 あの作業は何だったのか
著者等紹介
関千枝子[セキチエコ]
1932年大阪生まれ。旧制女学校2年のときに広島で被爆。学校を病欠していたため助かる。早稲田大学文学部ロシア文学科卒業。1954年、毎日新聞社入社、社会部、学芸部の記者を務める。のち全国婦人新聞(女性ニューズ)記者、編集長。現在はフリーのジャーナリスト。2014年、安倍靖国参拝違憲訴訟原告(筆頭)。『広島第二県女二年西組―原爆で死んだ級友たち』(ちくま文庫。日本エッセイストクラブ賞および日本ジャーナリスト会議奨励賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆずこまめ
3
死んだ者も生き残った者も地獄なのが原爆だというのがショッキングな言葉だった。生き残った人達が原爆について語らないのが普通だったというのも、それだけ原爆を生き延びたということは重いことだったのだろう。子供達が労働力として必要な時点で既にもう戦争は負けだと気付いて欲しかった。2021/02/15
ochatomo
2
建物疎開作業をしていた13歳ら6000人が死亡 日本教育史上最大の悲劇 2015刊2015/10/09
Hirotsugu Fujii
1
昨日の切明千枝子さんの講演を聞いて、県立二女の方の本があるということを知りました。図書館で探した所、より最近のこちらの本が見つかったので、読んでみました。きっかけとなった本もいずれ読んでみるつもりです。2021/11/21
より
1
著者からの重い、重いバトンを受け取った気がした。原爆についての本を四半世紀読み続け、知識だけは深まっていくが、私に何ができるのだろうか。広島にも長崎にも所縁は無い。語り部を継ぐ? 性格的にイタコにはなれそうにない。どうしても私の主観が入るだろう。それに仕事を辞めてボランティアにはなれない。忘れずにいること、更に知識を深めること。…死んだら比較標本として使ってもらうことは可能だろうか。血液疾患に罹患しなかったら、というのが大前提だけど。2015/10/19
ソニックゆうすけ
0
段々と戦争の語り部たちが亡くなっていく中、少しでも戦争の悲惨さを理解したいと思います。靖国問題は、国の為に死ねば神になれるという、危険な思想。それに被爆者のヒロシマの少年少女がなっているという事実。今一度勉強したい問題です。2020/08/11