出版社内容情報
日本におけるカナダ文学・文化の研究に必携の専門書。
先住民の作家からアリス・マンロー、マーガレット・アトウッドまで。
英仏両語の作品を網羅した本格的カナダ文学史
The Cambridge History of Canadian Literature (2009) の完訳。
年代順とジャンル別の設定を組み合わせ、特に1960 年代以降の
動向に注目して多文化主義やポピュラーカルチャーを取り込み、
「ネイチャーライティング」「ライフライティング」「コミックス」といった
新しいジャンルを加えた。
国際的に活躍する31 人の専門家の執筆による全31 章、
地図と詳細な年表・索引を含め、原文およそ800 頁の力作である
(訳者代表より)。
第一部 旧世界と新世界、ヌーヴェル・フランス、二つのカナダ、
カナダ自治領
1 先住民社会とフランスによる植民地化
2 ヌーヴェル・フランスからの報告
――イエズス会の『ルラシオン』、マリー・ド・ランカルナシオン、
そしてエリザベート・ベゴン
3 移住、多重忠誠、そして風刺の伝統
――フランシス・ブルックからトマス・チャンドラー・ハリバートン
4 北西部の著作――物語、日記、書簡、1700 年から1870 年
5 入植者の文学作品
6 英語とフランス語による歴史、1832 年から1898 年
第二部 ポスト・コンフェデレーション期
7 ポスト・コンフェデレーション期の詩
8 ヴィクトリア時代のナチュラリストによる著書
9 短編小説
10 ベストセラー作家、雑誌、国際市場
11 女性のジャンルにおけるテクストおよび社会的実験
12 カナダと第一次世界大戦
第三部 現代性の諸相、第一次世界大戦後
13 モダニズムとリアリズムの舞台――自己を演出する作家たち
14 E . J . プラットとマギル大学の詩人たち
15 1940 年代および1950 年代――文化的変化の兆し
16 建国100 周年記念
17 ノンフィクション―― イニス、マクルーハン、フライ、グラント
第四部 芸術的実験、1960 年以降
18 四重奏――アトウッド、ギャラント、マンロー、シールズ
19 短編小説
20 カナダの演劇――演技するコミュニティ
21 詩
22 詩、演劇、そしてポストモダン小説
23 漫画芸術とバンド・デシネ――漫画からグラフィックノベルへ
24 亡霊の物語 ――歴史と神話のフィクション
25 先住民文学――詩と散文
26 現代先住民演劇
27 トランスカルチュラル・ライフ・ライティング
28 多文化主義とグローバリゼーション
第五部 仏語の著作
29 詩
30 演劇
31 小説
コーラル・アン・ハウエルズ[ハウェルズ コーラル アン]
Coral Ann Howells.
Editors.
エヴァ=マリー・クローラー[クローラー エヴァ マリー]
Eva-Marie Kr?ller.
Editors.
堤 稔子[ツツミ トシコ]
つつみ・としこ
桜美林大学名誉教授。
大矢 タカヤス[オオヤ タカヤス]
おおや・たかやす
東京学芸大学名誉教授。
佐藤 アヤ子[サトウ アヤコ]
さとう・あやこ
明治学院大学教授。
日本カナダ文学会[ニホンカナダブンガッカイ]
内容説明
先住民の作家からマーガレット・アトウッドまで。英仏両語の作品を対象にした本格的カナダ文学史。文学、演劇はもちろんのこと、1960年代以降の動向にも注目し、「ネイチャーライティング」「ライフライティング」「コミックス」まで論じる。W.H.ニューをはじめとし国際的に活躍する31人の専門家の執筆、地図と詳細な年表・索引。
目次
第1部 旧世界と新世界、ヌーヴェル・フランス、二つのカナダ、カナダ自治領(先住民社会とフランスによる植民地化;ヌーヴェル・フランスからの報告―イエズス会の『報告書』、マリー・ド・ランカルナシオン、そしてエリザベート・ベゴン ほか)
第2部 ポスト・コンフェデレーション期(ポスト・コンフェデレーション期の詩;ヴィクトリア朝のナチュラリストによる著書 ほか)
第3部 現代性の諸相、第一次世界大戦後(モダニズムとリアリズムの舞台―自己を演出する作家たち;E.J.プラットとマギル大学の詩人たち ほか)
第4部 芸術的実験、1960年以降(四重奏―アトウッド、ギャラント、マンロー、シールズ;短編小説 ほか)
第5部 仏語文学(詩;演劇 ほか)
著者等紹介
ハウエルズ,コーラル・アン[ハウエルズ,コーラルアン] [Howells,Coral Ann]
レディング大学(イギリス)名誉教授。現在、ロンドン大学英文学研究所准研究員。カナダ文学、特に、マーガレット・アトウッド、アリス・マンローなどの現代カナダ女性作家に関するものをテーマに広範に出版。1997年と2006年にマーガレット・アトウッド学会より2回最優秀賞を受賞
クローラー,エヴァ=マリー[クローラー,エヴァマリー] [Kr¨oller,Eva‐Marie]
ブリティッシュ・コロンビア大学(ヴァンクーヴァー)英文学科教授。カナダ文学関係を多数出版。1995年から2003年までCanadian Literature編集長。カナダ王立協会会員
堤稔子[ツツミトシコ]
桜美林大学名誉教授。日本カナダ文学会顧問・元会長。東京女子大学・米国ワシントン大学卒(Ph.D.)
大矢タカヤス[オオヤタカヤス]
東京学芸大学名誉教授。東京大学大学院博士課程中退
佐藤アヤ子[サトウアヤコ]
明治学院大学教授。1979年明治学院大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程単位取得満期退学。1991年~1993年ブリティッシュ・コロンビア大学客員研究員。日本カナダ文学会会長、日本カナダ学会理事、日本ペンクラブ理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。