内容説明
「英語の松本」、その虚像と実像。NHKラジオ『英語会話』の講師として一世を風靡した松本亨。しかし、英語教育者としての顔は彼の一側面にすぎない。日米のはざまで揺れたある越境者の人生と戦後社会文化史の断面。
目次
第1部 人格形成と文化衝突(キリスト教と母親の影;英語への傾倒;渡米の夢)
第2部 宣教師、そしてアメリカ市民(学生キリスト教運動;敵性外国人として;自由なアメリカ、封建主義の日本;自伝『兄弟は他人の始まり』;占領政策との関係)
第3部 「英語の松本」の誕生(帰国;「放送英語」の世界へ)
虚像と実像
著者等紹介
武市一成[タケチイッセイ]
1963年高知県生まれ。州立ニューメキシコ大学大学院にて修士号取得(歴史学)。法政大学大学院国際文化研究科博士後期課程修了。博士(国際文化)。現在國學院大学文学部兼任講師、拓殖大学外国語学部講師。専門領域は多文化交流、国際文化交流、大衆文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
6
値段に暫く逡巡したが、タイトルに惹かれて最終的に購入。頁を捲り、博士論文の書籍化と判明し読む気若干減退。しかし、筆者の巧みな措辞のお陰で、思ったより興味深く読むことが出来た。放送英会話と言えば、私の時代は言わずと知れた吉田研作。その前任者、松本享の人物史。「英語で考える」の実践者。大津由紀雄のコメントにも触れ、研究者としての地位を築けなかった理由に関する考察がある最終章が一番面白かった。激動の時代に英語教育に携わった人物に思いを馳せる。高騰化したアマゾン中古本は避け、図書館で本人の著書を探して読もう。2021/05/26
あまたあるほし
2
日本人と英会話を考える上で、必要な一冊かもしれない2015/09/18