内容説明
1930年代、国際情報紙から親ファシズムのメディアへ―パリの極右週刊紙の誕生とその展開。敗戦と占領という特殊な事情のヴィシー時代。「ふつう」ではない状況下だからこそ、そこに生きる人びとの言動には、その「本質」が滲み出てくる。フランスの「ナショナリスト」たちは、なぜ対独協力を選択したのか。本書に登場する人物のことばや行動には、すべての者のうちに巣くう「弱い」部分や「邪なもの」の実相を解きほぐす手掛かりがある。
目次
第1章 メディア史のなかの『ジュ・スイ・パルトゥ』
第2章 一九三〇年代における『ジュ・スイ・パルトゥ』のドイツ観
第3章 ピエール・ガクソットと『ジュ・スイ・パルトゥ』の分岐点
第4章 対独協力ジャーナリズムの形成と『ジュ・スイ・パルトゥ』の再刊
第5章 『ジュ・スイ・パルトゥ』の協力主義イデオロギー
第6章 「あるべき国家像」をめぐって―AFとJSP
著者等紹介
南祐三[ミナミユウゾウ]
1979年大阪生まれ。早稲田大学教育学部地理歴史専修卒業後、同大学大学院文学研究科史学(西洋史)専攻修士課程・博士後期課程に進学し、博士(文学)早稲田大学の学位を取得。同大学文学学術院助手を経て、早稲田大学、東京学芸大学、聖学院大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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