内容説明
著者20歳代30歳代のメルヴィル論に増補すること6編、『白鯨』の作者メルヴィルに肉薄する批評精神の火花、ここに復刊なる!『神の沈黙』(寺田建比古)とともにわが国の戦後メルヴィル論の代表に数えられる千石英世『白い鯨のなかへ』、その増補決定版の出現である。
目次
裏返された鯨―『詐欺師』
白い鯨の構造図素描―『白鯨』1
イシュメールの帰還―『白鯨』2
暗示でしか語ることのできぬもの―『白鯨』3
夢の果てへの航海―『マーディ』1
終りなきおわり―『マーディ』2
メルヴィル通底器―『マーディ』3
ペルソナとキャラクター―「ホーソンとその苔」と短篇
極北の重力―『ピエール』
隠喩の抱擁―『ビリー・バッド』
散文と韻律―『クラレル』断層
石と光と泉と―須山訳『クラレル』のために
『クラレル』ノート―「バートルビー」から『クラレル』へ
著者等紹介
千石英世[センゴクヒデヨ]
1949年大阪府生まれ。アメリカ文学者、文芸評論家、立教大学名誉教授、京都産業大学客員教授。東京都立大学大学院英文学専攻修士課程修了。1983年、「ファルスの複層―小島信夫論」で群像新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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