内容説明
戦後事件史最大の悲劇!克明に描くノンフィクション・ノベル。
目次
第7章 銃と処刑(銃砲店襲撃;札幌へ ほか)
第8章 連合赤軍への道(「軍の統一」に異議;「挫折」 ほか)
第9章 生者と死者と(「共産主義化」と総括;党史、対立と統一 ほか)
第10章 伝説(森恒夫;坂口弘 ほか)
著者等紹介
金井広秋[カナイヒロアキ]
1948年群馬県生まれ。1964年前橋高等学校入学。1968年慶應義塾大学文学部入学。69年から71年にかけて、最後の時期の三田新聞の編集にかかわった。1980年慶應義塾大学大学院博士課程修了(日本近代文学)。2014年3月まで慶應義塾高等学校教諭(国語科)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
14
連合赤軍事件を扱った書籍には、ある不満が付きまとう。それは、そのどれもが生者の言葉だと言うことだ。連赤メンバーの手記も、警察、報道、関係者のどれを取っても、所詮生き残った者達の言葉に過ぎない。つまりここには、理不尽な総括を要求され、殺されていった人達の声がないのだ。もちろん山岳ベースでの彼ら彼女らの真の胸中は、それが言葉になっていない(できる状況ではなかった)という歴史的事実がある。それをいたずらに夢想するのは、死者を冒瀆する行為に繋がる恐れもある。だから手記や評論では、うかつにできない。(つづく)2015/07/19
K.C.
0
長編かつ凄まじい。時系列が多少飛ぶのは、構成を考えてのことだろうが、少し戸惑う。「スローガン」とか「言葉の置換え」というのが、何と幼稚で愚かなことかと思う。都合のいい解釈をしながら、自己批判というマスターベーションにする側が浸り、満足いかなければ暴力へと飛躍(止揚ではなかろう)する。下巻の凄惨な殺戮は、正直読み進め辛かった。結局、醜い人間の愛憎劇にしては、犠牲が大きすぎる。2015/10/29