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内容説明
辺境の山村にも露呈するオーストリア・ハンガリー帝国支配の軋轢。ほのぼのとした物語の底流に流れる毅然とした精神の発露と民族の誇り。カフカの『城』に大きな影響を与えた、チェコの生んだ19世紀女性作家の名作!ドイツ語版より翻訳。
著者等紹介
源哲麿[ミナモトテツマロ]
大正14年島根県生れ。出征、復員後、京都大学(旧制)文学部哲学科卒。現在、専修大学名誉教授。日本ペンクラブ名誉会員、日本独文学会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かもめ通信
16
前々から気になっていたチェコの国民的作家、ボジェナ・ニェムツォヴァーの代表作。チェコのお金500Kč(チェコ・コルナ)紙幣には彼女の肖像画が描かれているし、その代表作でもある本作『Babička(おばあさん)』は教科書にも取り上げられてきた作品なのだという。 一人のお婆さんを中心に19世紀のチェコの山村暮らしの様子がいきいきと描かれている物語。一気に読むのがもったいなくて、少しずつ味わいながら読み進めたが、お婆さんと別れがたく読み終えるのが惜しい気がした。 2015/03/26
コカブ
2
チェコの国民的作家とされるニェムツォヴァーが1855年にチェコ語で書いた小説。彼女が少女時代に一緒に暮らした祖母をモデルにして、主人公の「お婆さん」を描いたという。物語は、お婆さんの娘が侯爵夫人に仕えており、ウィーンからボヘミアの領地に移ることになった。そこで母親である「お婆さん」を家に呼び寄せた所から始まる。当時、上流階級はドイツ語を話し、庶民はチェコ語を話していた。お婆さんはドイツ語を話せないのだが、確固たるチェコ民衆の知恵を身に着けているので、侯爵夫人をはじめ皆から信頼をうけていく…という話。2015/05/16
薙沢 ゆき
0
お婆さんの、仕事のある娘や孫の生活を描くハイファンタジー。召使いと貴族と上流階級で言葉が違う。手紙という制度があっても届かないから、商人や巡礼者に頼む。「真心のこもったパンや塩を軽蔑するような人間は、椅子をすすめるにも値しない」ってとこに、相手が何を思ってそうしたかをよく考えないといけないなと思ったり。「人間は一人一人がいろんな悩みを抱えていましてね。それぞれが自分の十字架を背負っているんです。ただ一人一人が、同じようにまた十字架の重さに押し潰されるかと言いますと、必ずしもそうじゃないんです」2015/02/28
青いサーカス
0
孫の世話をするため、お婆さんは領主夫人に仕える事になった娘夫婦のもとへとやって来た。折節の行事や祭り、領主夫人との触れ合い、森に棲む狂女ヴィクトルカのこと・・・。美しい自然に抱かれたチェコの慎ましい日々の暮らし。2020/06/03
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