内容説明
ジャッロ(giallo)映画=サスペリア、デボラの甘い肉体、サスペリアPART2など、1960年代以降、イタリアで爆発的な勢いで製作された、フロイトの精神分析理論の映像化を原点とする、エロ・グロをふんだんに盛り込んだホラー・サスペンス映画群を徹底研究。イタリア本国の研究書、ポスター、ロビーカード、プレスシート、パンフなど膨大な資料から、その全貌を明らかにした日本では類を見ない決定版入門書。怪しい魅力渦巻くジャッロ映画世界に引き込まれること請け合い!
目次
第1部 ジャッロgialloとは何か(ジャッロを巡る混乱;ジャッロ小説とジャッロ映画の類似と相違;ジャッロ映画の歴史 ほか)
第2部 1960年から1996年までのジャッロ映画主要作品(くち紅;地獄で会おう;22‐22、シェーリダン警部を呼び出し ほか)
第3部 1990年代以降のジャッロ映画について(ランベルト・バーヴァの目撃証人;黒衣の殺人鬼;プライベートな殺人 ほか)
著者等紹介
安井泰平[ヤスイタイヘイ]
1976年、東京生まれ。専門は応用心理学とイタリア映画。日本のジャッロ研究・関連グッズ収集の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アーチャー
10
本の帯から抜粋”1960年代以降イタリアで製作されたエロ・グロをふんだんに盛り込んだホラー・サスペンス映画・・・"の資料本を購入してしまったが、観てない映画が多すぎ&それによって観たいという欲求が膨らんでしまう結果に・・・あっ、でも普段からこの手の映画ばかり観てるわけじゃないんですよ・・・とあわてて弁解する私であります。高価ですが、なかなか面白い本でした。2014/01/03
あ
1
本書は日本で認知度の低い映画ジャンル、ジャッロに関する書物である。作品の参考資料とその批評の集積によってジャッロ映画を紐解いていく。またジャッロの定義について事細かに記述してくれるのもありがたい。ただし、アカデミック的側面がとても強い。そのためジャッロの魅力や面白さについては汲みとり損ねたように思える。とはいえ読んで損はあるまい。本書が契機となって、日本に於けるジャッロ映画の認知向上へつながることを期待する。2017/05/16