内容説明
昭和11年、プロ野球創成以前、東京巨人軍に背番号「3」がいた。投手・沢村の快投は観客を驚かせたが田部の偉駄天ぶりはそれに劣るものではなかった。塁に出ればすかさず盗塁。あっという間にホームに生還。スリルと迫力では最高の選手だった。米国野球遠征で観客の度肝を抜いた快足も、39歳の「老兵」では米軍の弾丸を切り抜けることはできなかった。非運の理由は巨人軍からの追放がひとつとすれば、最大の理由は妻子を大連に残したままの沖縄での戦死だった。
目次
第1章 空白と謎―数奇な運命の始まり
第2章 東京六大学野球―神宮の杜
第3章 明大野球部―世界遠征の旅
第4章 栄光と波瀾
第5章 日米野球
第6章 都市対抗野球
第7章 日本プロ野球の黎明
第8章 第一回アメリカ遠征
第9章 巨人軍・田部武雄
第10章 故郷満洲へ帰る
第11章 運命の終着駅/激戦の沖縄
著者等紹介
菊池清麿[キクチキヨマロ]
1960年岩手県生まれ。明治大学政経学部卒業。明治大学大学院博士前期課程修了。淑徳大学エクステンション講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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