内容説明
昭和の初め、『森の生活』に憧れてたったひとりで小さな湖のほとりに住みついた青年がいた。彼の唯一の詩集『木葉童子詩経』から自然や生き物、宇宙をうたった優しくて心温まる32編。
目次
春の蟻
灰
夕暮に
言葉少なにわれ永劫となりぬ
瓜
きたるともきたるとも
「口をつぐみてただ年月の移るにまかせよ」
嵐の夜
許容
ほうれん草〔ほか〕
著者等紹介
野澤一[ノザワハジメ]
1904年4月1日、山梨県生まれ。法政大学へ進学したものの、卒業直前に退学。アメリカの作家ソローの生き方に共鳴し、1929年2月、山梨県西八代郡にある四尾連湖の湖畔に小屋を建てて独り暮らしを始める。1933年、隠棲に区切りをつけ、東京の両親宅へ戻った。翌年、四尾連湖時代に書き溜めた詩を『木葉童子詩経』と題して出版。1936年に結婚、二男一女に恵まれる。1941年から『中部文学』同人に加わり、旺盛な執筆活動を始める。1945年6月に死去
坂脇秀治[サカワキシュウジ]
1955年9月30日、兵庫県生まれ。横浜国立大学卒業後週刊誌の記者を経て、82年マガジンハウス入社。『クロワッサン』、『鳩よ!』編集部を経て、書籍出版部で単行本の編集に二〇余年携わる。2009年に退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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