ポルトガル文学叢書
ちっちゃな回想録

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  • サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784779119330
  • NDC分類 969.4
  • Cコード C0097

内容説明

ポルトガルの、小さな村の、大作家。ノーベル賞作家サラマーゴがユーモアあふれる語りでつづる少年時代の回想。

著者等紹介

サラマーゴ,ジョゼ[サラマーゴ,ジョゼ] [Saramago,Jos´e]
1922年ポルトガル・リバテージョ地方の村アジニャーガに生まれる。経済的な事情から学業を断念、工業学校を修了後、機械工をふりだしに挿絵画家、翻訳家、編集者、記者などの職につく。1976年以降は文筆活動に専念、多数の作品を発表して国民的作家となる。1998年度ノーベル文学賞をはじめ、数々の賞を受賞。2010年スペイン領カナリア諸島ランサロッテ島の自宅で逝去

近藤紀子[コンドウユキコ]
1969年生まれ。早稲田大学第一文学部文学科日本文学専修卒。出版社勤務のかたわらポルトガル文化センターでポルトガル語を学び、翻訳の道にすすむ。1998年、2000年夏、カモンイス奨学金を得てポルトガルのコインブラ、ブラガに学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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どんぐり

92
ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴ(1922-2010年)がちっちゃかった頃の、ちっちゃな回想録。ポルトガルの小さな村アジニャーガ生まれ、リスボン育ち。父親のジョゼ・デ・ソウザが、「西洋わさび」の意味をもつあだ名を付けたことで、サラマーゴの名前になったという。豚小屋から夜の冷え込みに耐えられない子豚を抱えてベッドで一緒に眠る祖父母がいた農村での思い出や、アパートの最上階でトイレもなく台所の盥を使用していたリスボンでの生活、4歳で死んだ兄と学校生活のこと、警察官の父親と親類縁者のことなど雑多な話が語られる。→2022/12/20

かもめ通信

24
祖母や両親との思い出、幼くして亡くなった兄のこと、学校でのエピソード、女の子たちへの淡い想い、サラマーゴ(西洋わさび)なんていう名がついたわけ。スペインの内戦やナチス台頭の噂、サラザールに関するあれこれなど時代背景も見えかくれはするが、少年時代のあれこれを思い入れと茶目っ気をたっぷりこめて思いつくはしから語ってくれているかのような調子で、あれこれと書き連ねる文体のトーンは明るく、読んでいるうちに自分の祖父の昔語りに耳を傾けている様な気持ちになって、心も身体もほかほかと温まり心地よい気分になっていく。 2016/07/15

hiroizm

17
ジョゼ・サラマーゴの幼少期の思い出を綴ったエッセイ。彼の小説の重厚さもノーベル文学賞作家的な尊大さのかけらもない陽気な老人のほのぼのとした思い出話で逆に意外。故郷のの思い出話は、ある一定以上の世代の農村出身者なら「あるある」的な話ではなかろうか。実際僕の父よりサラマーゴは5歳年上なんだが、農村の封建的人間関係、遊びの内容、幽霊譚などなど昔聞かされた父親の幼少期の話とそこはかとなく似ている。ポルトガル人のモラエスが日本に住み着いたのは女性だけでなく日本の雰囲気が故郷に似ていたからなどと考えてしまった。2020/06/18

minota

2
公園に行くあの細道好きだったな。 とポルトガルの文学を読んでるのに自分の思い出が出てくる。 記憶していること、していないこと。見えているもの見えていないもの。サラマーゴのテーマなんだろうな。2013/11/05

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