内容説明
戦争の実態は共有されてきたか?70人の戦争体験者の証言と写真がとらえた記憶のヒダ。
目次
満州・中国・シベリア(撫順戦犯管理所で6年―小山一郎さん;大陸打通作戦に参加―井ノ口金一郎さん ほか)
東南アジア(日赤看護婦として病院船勤務―守屋ミサさん;日本兵に軍刀で首を斬られた―游鏡泉さん ほか)
南洋・沖縄(ミッドウェー海戦から生還―高木清さん;トラック島・輸送船の操舵手―西山勇さん ほか)
本土・空襲・被爆者(「特殊技能」で徴兵を免れた―鳥海豊さん;猛毒ガス兵器製造に徴用された―山崎一郎さん ほか)
著者等紹介
山本宗補[ヤマモトムネスケ]
1953年長野県生まれ。フォトジャーナリスト。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。85年からフィリピン、88年からビルマ(ミャンマー)軍事政権下の少数民族や民主化闘争を取材。日本国内では「老い」と「戦争の記憶」のテーマで取材。「3・11」の翌日12日から福島県に入り、広河隆一氏らフリーランスの仲間6人で原発周辺での放射能汚染の実態を伝え、原発事故と大津波被災地に通い続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山口透析鉄
29
市の図書館本で。福島菊次郎・杉山千佐子両氏のような東京新聞にも出てくる方もいますが、多くはそれぞれの立場で被害者や加害者、日本軍の侵略に抵抗したり、といった方々で、刊行が2013年ですから本文中以上に亡くなっている方、います。 日本軍でも生体解剖(731部隊ではない)に関わったり、BC級戦犯がでてきます。サンフランシスコ講和条約で日本人ではなくなり、補償等、受けられていない方々も。 慰安婦にさせられた現地の方々もいますし、泰緬鉄道の死の工事に関わっていた方々の証言もいちいち重いです。 世襲ボンクラ政治屋↓2024/06/12
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
13
日本という国はほんと自国民の棄民がお家芸なのだな、と思わされる内容。大判の写真集かと思いきやテキスト量がとても多い。この内容はとても貴重なので、判を小さくしてより多くの人の手に届きやすい形式でリリースされたら、と思いました。2020/09/24
Yuko
12
同著、在庫整理のため裁断処分されるというニュースが流れてきましたが、SNSの呼びかけでそれは回避できたようです。 戦争の歴史は、記録に留めなければ、都合のいいように捻じ曲げられ、書き替えられ、葬り去られてしまうのに・・ 何年とか、何十万人とか、年号・数字の記録ではなく、個々に纏わるそれぞれの体験の記録 辛くなって何度も本を閉じましたが、被害者であり加害者でもあった戦争体験者の絞り出すような証言の記録は、本当に貴重 2019/03/01
ERNESTO
5
本書を開くと、大判でご本人の写真が迫ってくる。 そして反対側のページには説明がつく。 著明な福島菊次郎さんや益永アウミコさんをはじめ、70人の戦争体験者が語るのは、政府は必ず暴走するのだということ。 戦後日本が加担したイラク戦争はおろか、生存者がいる第2次大戦の清算すら未だ終了していない。 自らが日本兵として犯してきた殺人、生体解剖。 性奴隷、虐殺の幸存者。 2013/10/12
もいちゃん
3
かの戦争を体験した人々の写真と、生々しい文章が綴られている。非常に面白く読ませてもらったが、やや体験記に思考の偏りを感じもした。その偏りとは多くの人が戦後は一貫して戦争反対を掲げている点ではなく、「人間性は日本人〈中国人だ」とはっきりと明記している点や、それをほのめかしている点に対してである。私は戦争を経験したけではない上、一人間の思想としてそのような発想を持つことに対して批判はない。しかし、この著者が意図的にそうした文章や人々を集めてこの本を作ったのであるなら、ナショナルなものの見方から生まれる偏見・差2013/11/12
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