内容説明
9.11以降、グローバル化する社会で続く「憎しみの連鎖」を断ち切る想像力を獲得するために、今こそ、ミルズ社会学を再読する!
目次
1 プロローグ―予備的考察(C.W.ミルズ再入門―グローバル化と動機の語彙論)
2 問題としての動機の語彙論(公共社会学から動機の語彙論へ―研究動向と問題の所在;社会学的動機論から動機の語彙論へ―社会学史的位置付けの素描)
3 動機の語彙論から社会学的批評へ(動機の語彙論と知識社会学―動機付与論から「動機論の動機論」へ;大衆社会論と動機の語彙;社会学的リアリズムと動機の語彙―人間喜劇と歴史的特殊性;社会学的想像力と動機の語彙)
4 アメリカ公共知識人の作品動機(公共知識人論とミルズ社会学―R.ジャコビーの所説を手がかりとして;現代アメリカ知識人論の再考察―ラディカルな逆理論を手がかりに)
5 エピローグ(C.W.ミルズ脱入門―公共社会学と平和思想)
著者等紹介
伊奈正人[イナマサト]
1956年、横浜市生まれ。1980年、一橋大学社会学部卒業。同大学院を経て、1985年、岡山大学教養部講師。同助教授を経て、1996年、東京女子大学着任。現在、東京女子大学現代教養学部教授。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
5
諸著作を当時のアメリカ社会(戦間期~冷戦下)の文脈を呼び起こしながら位置づけ、公共知識人論の学説を現代の公共社会学(ブラウォイ)に接続する。バークをもう一度きちんと読み直さなければという気になったし、アメリカ社会学の当事者の文献のみでは理解できない学説史による補足情報、さらには日本の思想史における関連性などにも気づかせてくれた。テキサス生まれの暴れん坊社会学者が宙返りしながら前世紀中盤のアメリカ言論界を縦横無尽に駆け抜けていく様は痛快であり、その粘り強いattitudeの延長に疑いなく今のわれわれがいる。2024/05/04