内容説明
60年代末、ゲイの権利獲得の闘いが始まった―1969年6月28日、NYのゲイバーに警官隊が突入。この「ストーンウォール事件」以来、ゲイの解放運動は一気に街頭へとひろがった。たとえ少数派でも生活は多数派と同じように認められねばならない。存在証明を確立するために性的マイノリティが強いられた苦難の「近代」を考察する。
目次
第1章 同性愛についての予備知識―同性愛には二種類ある
第2章 ゲイの認知―ゲイのことを知るには
第3章 ホモとゲイ―ゲイは新しく生まれた
第4章 性的少数者―世の中にはさまざまな人が生きている
第5章 ゲイの破壊力―遅れてきた自由を求める人々
第6章 性的人間関係―いまは混沌としているけれど
第7章 開かれた世界へ―全員が普通に生きていくために
著者等紹介
匠雅音[タクミマサネ]
1948年神奈川県生まれ。中央大学法学部卒業、筑波大学大学院芸術研究科修士課程修了。建築学を独学し、建築設計事務所を設立。物書きとしては情報社会の「家族」および「子供」の存在意義について深く考察(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Syuri
3
ゲイは近年生まれた新しい価値観である。(19世紀〜) 背景には、伝統的な秩序(年功序列制度や性別的役割分業)の崩壊と近代の自由と平等化の歴史がある。 つまり、ゲイは支配と拘束の伝統的な社会秩序を超え個人が平等で豊かな自由を獲得可能になりつつある、社会理念の変換を示唆している。 性愛に限らず、個人の行動が横並び(=対等)で自由な社会を私たちは目指しているに違いない。 [ゲイの誕生]は現存する価値観へ、 挑戦の一翼を担っているのだ。 世の中には様々な人が生きている。 2020/07/24
Kaname Funakoshi
1
有史以来存在していた同性愛(本書では「ホモ」と呼ばれる)は明確な上位者と下位者の関係があって機能していたが、対等な関係での同性愛(本書では「ゲイ」)は、封建制の終了によらなければ現れなかった。前半は淡々と語られていたが、後半になるとゲイの既存の価値基準からの解放を強く訴えかける熱い文章になって、読み応えがあった2021/12/19
xxx
1
前近代までの年長者が能動的立場で年少者が受動的立場の関係を「ホモ」、近代以降の対等な階級の同性愛関係を「ゲイ」と定義している。両者は似て非なるものであり「ホモ」が廃れ「ゲイ」が現れたのは年功序列による階級制度が破壊されたため、と筆者は結論づけた。前近代はセックスは自らの階級を強化する手段でもあったが、革命や戦争、フェミニズムを経て「階級」が無意味になってからはセックスは「愛」を確かめる行為となった。西洋の場合はキリスト教によるセックスフォビアが現代にも続く同性愛嫌悪に少なからず影響してる面もあると思われる2019/04/28
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