内容説明
日本は国家の防衛について、日米安保を最後の頼みとしているが、尖閣諸島を巡って軍事衝突が発生した場合、果たしてそれは有効に機能するであろうか。米華相互防衛条約の4、5条と日米安全保障条約の4、5条(いわゆる参戦条項)は、日米条約のほうが、詳細であるが、その趣旨に違いはほとんどない。現在、台湾は中国との実質的な国境地帯として金門・馬祖の大陸沿岸諸島を領有しているが、この維持のために数度の軍事的紛争を経験した。その経験は、わが国が尖閣諸島を保持するためにどのような行動を為すべきかについて示唆を与える。米華相互防衛条約と台湾海峡紛争の歴史を知ることは、極めて重要である。
目次
第1章 米華相互防衛条約(条約提案以前の状況;国民党政府からの条約提案 ほか)
第2章 条約下の米国と国民党政府の関係(第一次台湾海峡危機における軍事作戦協力;米・中国共産党政府会談と国民党政府 ほか)
第3章 第二次台湾海峡危機の勃発(一九五八年七月までの中国共産党政府情勢と中東情勢;米・中国共産党政府会談の中断と国民党政府 ほか)
第4章 八・二三砲撃戦の開始と米華共同コミュニケの発表(八月二三日から一〇月二五日までの砲撃戦の状況;国民党政府の米国への協力要求 ほか)
第5章 米華相互防衛条約の終焉(米ソ中、三極構造の現出;米中国交樹立と米華相互防衛条約の破棄)
著者等紹介
毛里一[モリハジメ]
防衛大学校安全保障研究科卒業(社会科学修士)、航空自衛隊定年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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